エチケット・マナー

知っておきたい参拝マナーをおさらい 鎌倉でおすすめのお寺と神社もご紹介

2023.07.25

戦国時代以前からの深い歴史や四季折々の草木の景色を味わえる鎌倉のお寺や神社。
好きな歴史人物やご利益のほか、アジサイや新緑などの美しい景色を目当てにして訪れる機会も多く、神社仏閣巡りが好きだという人も多いでしょう。
今回は、参拝前に知っておきたいお寺と神社の違いや、おさえておきたい作法やマナーのほか、鎌倉でおすすめのお寺と神社もご紹介します。

知っておきたいお寺と神社の違い

お寺と神社の違いは、知ってますか?「なんとなく…」という方も多いのではないでしょうか。
しかしせっかく鎌倉観光に訪れるのであれば、ただお寺や神社を巡るのではなく、意味を知ってお参りする方がより有意義になるのではないでしょうか。違いをわかりやすくご紹介。

お寺は仏教・神社は神道の宗教施設

鶴岡八幡宮

お寺と神社はどちらも宗教施設ではありますが、最も大きな違いは信仰する宗教。
お寺は古代インドで生まれた釈迦を改組とする宗教「仏教」の宗教施設であるのに比べ、神社は日本発祥の宗教「神道」の宗教施設です。

仏教の崇高の対象は仏様で、仏様は悟りの度合いによってランクがあり、一番角が高いのが阿弥陀如来といわれています。
神道は教祖や経典がなく、言語化された教えが存在しないため、「教」ではなく「道」という字があてられています。八百万神(やおよろずのかみ)という言葉があるように、さまざまなものを神格化しており、その中でも最高神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)であるというのが一般的です。

高徳院

寺院は、「~寺」のほかに「院」「庵」「大師」などの名前が付いていることがあります。
一方神社は、一般的な社号の「神社」に加えて「神宮」「宮」「大神宮」「大社」「社」などがあり、もっとも格式が高い神社には伊勢神宮・明治神宮などの「神宮」が使われています。

屋根・入口・構造も違う建築物

浄妙寺

お寺と神社を見分けるのに役立つのは、屋根。
神社では、日本人の「木」に対する信仰から、基本的に屋根以外には木材が使用されています。屋根は茅・檜・杮など、自然の材料によってつくられているのが特徴。
それに対してお寺は、中国を経由してきた仏教の宗教なので、大陸から伝わってきた瓦が屋根に使われてます。

御霊神社の鳥居と本殿

また、神社は鳥居から抜け参道を進むと、拝殿に行き着くという構造が一般的です。
御神体が祀られる本殿は、拝殿の背後にある場合が多くあります。神社建築は鳥居、社号標、制札、神楽殿/舞殿、手水舎、末社、宝物庫、拝殿、本殿などで構成されています。

明月院の山門

神社の鳥居に代るのが、お寺の山門。
山門は寺院の正式な入口で、その先は仏の国と考えられています。寺院建築は金堂、塔、講堂、経蔵、鐘楼、食堂、僧坊などで構成されています。

お寺の参拝手順

多くのお寺では、参拝時間が決められており、開門が9時前後、閉門が17時前後となっている場所が一般的です。
季節によって変動することもあるので、事前に時間を調べておくとよいでしょう。

杉本寺

山門で拝礼

山門は、仏殿への入口。一礼してくぐるのが望ましいとされています。左右の山門に仁王像が安置されている場合は、両像に手を合わせるのも忘れないようにしましょう。敷居は踏まずにまたいで、お参りします。

左手→右手→口の順に清める

多くのお寺では、山門を抜けると手水舎があります。この際、次の手順でお清めをしましょう。

①柄杓(ひしゃく)を手に取る

②右手で持った柄杓で水を汲み、左手を洗う

③左手に持ち替えた柄杓で水を汲み、右手を洗う

④もう一度右手に柄杓を持ち替えて、左手に水をそそぎ口をゆすぐ

ただし、寺によっては手水舎がないこともあるので、その場合は本堂前へ進みます。

常香炉の煙で体を清める

仏様にお香を供え、その煙を浴びることで心身を清める場である常香炉。体の悪いところにつけると、緩和するとも言われています。

本尊では賽銭→祈願→一礼

寺での賽銭はお布施で、欲や執着を捨てるための修行の一つといわれています。手を賽銭箱に近づけ、そっと入れます。

次に、鈴があれば3回慣らし、両手を静かに合わせて祈願します。祈願した後に、「南無阿弥陀仏(浄土宗・浄土真宗・天台宗)」「南無妙法蓮華経(日蓮宗)」など、本尊の名前の前に「南無」をつけて唱えます。その後、手を合わせたまま深くお辞儀をします。最後に一礼して戻ります。

神社の参拝手順

神社には、24時間いつでも参拝可能なところと、境内で参拝可能な時間があらかじめ決められているところがあります。
また、社務所に用事がある場合は、社務所が開いている時間を調べて行くようにするとよいです。

甘縄神明神社

鳥居・参道は端を意識

神社の鳥居と参道ですが、真ん中は神様がお使いになるため、避けるのがマナーとされています。
右か左のどちらの端かは特に決まっていないので、その場に人の流れができているようなら、その流れに乗れば問題ありません。

手水舎で左手→右手→口の順に清める

手水の作法はお寺と同じです。柄杓を使って左手→右手→口の順に洗い清めます。

拝礼の基本は二拝二拍手一拝

拝礼は、まずお賽銭を丁寧にお賽銭箱へ入れます。それから鈴を1~2回慣らし、拝礼に来たことを神様に伝えます。

拝礼は二拝二拍手一拝。
まずは拝殿に対して背筋を伸ばして立ったあと、腰から90度折るように深々とお辞儀(二拝)します。
それから手を胸の辺りで合わせて、少し右手を下にずらして2回手を打ち鳴らします(二拍手)。
両手を合わせた状態で、参拝できたご縁に感謝の念をささげてから、最後に一度だけ深々とお辞儀(一拝)します。
そのあと、神様にお尻を向けないよう、拝殿の端に進んでからその場を離れます。

お寺・神社を参拝するときの作法やマナー

お寺や神社を参拝する場合、自由に行うことができますが、気持ちよくお参りするためには最低限の作法やマナーを知っておくと安心です。
頭の片隅に入れて、鎌倉でのお寺・神社巡りの際は常に心がけられるといいでしょう。

服装は派手な色は避ける

昔は参拝するために身を清め、白装束に身を包んでいたという時期もあるほど、神社は神聖視されてきました。現代では、派手な色を避け、落ち着いた色で清潔な身なりを心掛けます。
素足にサンダルや露出の多い服装、殺生を聯想させる毛皮やアニマル柄のアイテムは避けるのがよいです。見た目にいかにも動物という印象がない革製品はマナー違反にはなりません。
また、境内では帽子を被らないように注意しましょう。
境内に上がって御祈祷を受ける予定がある場合正装する必要があります。男性も女性もスーツ姿がマナーとされています。

事前に小銭を用意しておく

お賽銭や御朱印帳をいただくときに、サッと出せるように小銭を用意しておくとよいです。
最近ではキャッシュレス決済を主にしている人も多いので、いざ財布を開いたら現金が全くないということがないように気を付けましょう。

ペットを同伴させない

昔は、動物は穢れの対象とされており、現在でもこの風習や考え方を引き継ぎ、動物が境内に入ることを禁止している神社仏閣が多いです。特に稲荷神社にはキツネが祀られており、お稲荷さんと相性の悪い犬は連れて言ってはいけないとされてきました。
最近ではペットを連れての参拝を許可し、中にはペット用のお守りや絵馬などを用意しているというところも。ペットを連れて行きたい場合は、事前に確認をし、お寺や神社、ほかの参拝客に迷惑にならないように気を付けましょう。

御朱印帳集めもおすすめ

近年よく耳にする御朱印集め。鎌倉にはお寺や神社が多いので、御朱印巡りをする方も多いようです。
ただ、スタンプラリーのようなものとは違うので、マナーを守って御朱印集めを楽しんでみてください。

御朱印はお参りした証

御朱印とは、お寺や神社にお参りしたときに、その証として授けられる印のことです。お寺や神社の名前、ご本尊の名前、お参りした日付などが墨で書かれています。
もともとはお経を写した写経を納めた証として授けられるものでしたが、最近ではお参りした証として授けるところも増えてきました。

御朱印のいただき方

御朱印はお参りをした後に、お守りなどを扱っている授与所にていただくことができます。社務所、宗務所でいただけるところも。
一般的に御朱印は300円か500円でいただけます。限定御朱印の場合、500円以上であることも。金額はお気持ちで、という場合もあるので、事前に確認しておくとよいです。
御朱印帳を用意し、どのページに書いて欲しいのかわかるよう、開いて渡せるようにしておき、受付にてお願いします。人気なところだと、順番待ちの列ができていることもあるので、その際は列の最後尾に並びます。待っている間、大声でのお喋りをしないように気を付けましょう。
お金と御朱印帳をお渡しし、お寺や神社の方が手書きで書いてくださった御朱印帳を受け取ったら、つつしんで受け取り、しっかりとお礼を伝えます。

ひとつとして同じデザインのものがない

御朱印はお寺や神社によってそれぞれデザインが異なります。
そのため、御朱印のデザインの違いを楽しみに集めながらお参りするという人もいます。参拝の楽しみの一つとして、御朱印集めを初めてみるのもよいですね。

鎌倉でおすすめの神社をご紹介

参拝方法が確認できたら、ぜひ鎌倉のおすすめ神社を訪れてみてください。
魅力的なスポットが多い中から、特に訪れていただきたい神社をご紹介。

鶴岡八幡宮|鎌倉武士のシンボル的存在

1063年に源頼家が京都の石清水八幡宮を密かに勧請し、由比ガ浜辺りに鎮座した由比若宮にはじまり、1191年に火災に遭うと、源頼朝が山の中腹を切り開き、あらためて石清水八幡宮の分霊を勧請して鶴岡八幡宮を創建しました。
鎌倉幕府の守護神であると同時に、宗教政策の要として幕府の各種公式行事が執り行われるなど、最も重要な位置にあった神社です。
現在でもとても人気のある神社で、源氏池、ぼたん庭園、鶴岡ミュージアムなど、見どころも多いので鎌倉初心者にもおすすめです。

スポット名鶴岡八幡宮
住所神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
電話番号0467-22-0315
参拝時間10月~3月:6:00~21:00
4月~9月:5:00~21:00
URLhttps://www.hachimangu.or.jp/

御霊神社|平安時代の武士・鎌倉景正を祀る古い神社

江ノ島電鉄長谷駅から徒歩5分の位置にあり、踏切のすぐ脇に鳥居があることでも有名な御霊神社。
こちらは源頼朝の鎌倉入り以前からあった古い神社で、平安時代の武士・鎌倉景正を祀っています。
はじめは関東平氏の鎌倉氏、梶原氏、大庭氏の先祖の霊を祀っていましたが、やがて後三年の役で活躍した武勇が名高い平安時代の武士・権五郎景政が祀られるようになりました。地元では「権五郎さま」と呼ばれ親しまれています。

スポット名御霊神社
住所神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9
電話番号0467-22-3251
参拝時間9:00~17:00

鎌倉のおすすめのお寺をご紹介

鎌倉にはお寺も数多く存在し、花の寺など四季折々の景色を見せてくれるスポットも多くあります。季節の移ろいを感じに、鎌倉のお寺を訪れてみては?

長谷寺|花木が絶えない鎌倉の西方極楽浄土

736年に開創され、聖武天皇の治世下に勅願所と定められた鎌倉有数の古刹です。本尊は十一面観世音菩薩像。こちらは木彫仏としては日本最大級の尊像です。
観音山の裾野から中腹に広がる境内は、四季を通じて美しい花が絶えない「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれており、木や花の彩りが心を和ませます。

また、鎌倉の海や街並みが一望できる見晴台や、梅雨に映える40種類2500株のアジサイも有名で、鎌倉でも有数の景勝地と謳われています。

スポット名長谷寺
住所神奈川県鎌倉市長谷 3-11-2
電話番号0467-22-6300
参拝時間通常期間:8:00~16:30(閉山17:00)
延長期間(4~6月)8:00~17:00(閉山17:30)
URLhttps://www.hasedera.jp/

明月院|あじさい寺としても有名

あじさいで有名な明月院は、平治の乱(1159年、)で戦死した首藤 俊通(すどう としみち)の供養のために、息子の經俊(つねとし)が「明月庵」を創建したのが起源といわれています。
境内の見どころとされるのが、上杉憲方(うえすぎ のりまさ)の墓として伝承される「明月院やぐら」。鎌倉最大のやぐらと言われているその壁面には、釈迦如来、多宝如来と思われる像が浮き彫りにされていて、その地が神聖であることを物語っています。

画像提供:PIXTA

さらに明月院の名物といえば、境内を埋めつくすほどに咲き誇る数千本のあじさい。その美しい青色は「明月院ブルー」という通称を持つほど有名で、シーズンには多くの人々でにぎわいを見せているのです。そのほか、本堂後庭園はハナショウブの季節である5月末から6月中旬にかけてと、11月末から12月10日前後の紅葉・黄葉の季節にある特別公開も注目の行事と言えるでしょう。

スポット名明月院
住所神奈川県鎌倉市山ノ内189
電話番号0467-24-3437
参拝時間9:00~16:00
※6月のあじさいの時期は変更の場合あり

建長寺|日本最初の禅宗専門道場

建長寺は禅宗の寺院で、臨済宗建長寺派の大本山です。1253年の創建で、鎌倉幕府第5代執権である北条時頼が開基。中国(宋)の高僧蘭渓道隆を迎えて創建した日本最初の禅宗専門道場で、幕府と強く結び付きました。

国宝である梵鐘や国指定名勝である庭園、国重文である三門、仏殿、法堂、唐門のほか、県名木百選のビャクシンも見どころです。春にはハクモクレンや桜、夏にはイワタバコ、秋にはハギ、紅葉が楽しめます。

スポット名建長寺
住所神奈川県鎌倉市山ノ内8
電話番号0467-22-0981
参拝時間8:30~16:30
URLhttps://www.kenchoji.com/

妙本寺|比企能員の末子・比企能本が開基

鎌倉時代には比企能員一族の屋敷があった比企谷にあり、鎌倉駅の喧騒を忘れてしまうほどの静寂と様々な表情を見せる豊かな緑が味わえる妙本寺。
開基は鎌倉時代に鎌倉殿を支えた13人の御家人のひとり、比企能員の末子・比企能本。幼少で京都にいた比企能本が後年、鎌倉で日蓮聖人と出会い、自分の屋敷を日蓮聖人に献上したのが妙本寺の始まりとなっています。

春には桜と海棠、夏は新緑とシャガ、秋には楓やイチョウ、冬の雪景色など、季節ごとにさまざまな花木の表情が楽しめます。

スポット名妙本寺
住所神奈川県鎌倉市大町1-15-1
電話番号0467-22-0777
参拝時間24時間
寺務所:9:00~17:00
URLhttps://www.myohonji.or.jp/

正しいマナーを身につけて気持ち良い参拝を

宗教には古くから伝えられてきた作法とマナーがあり、お寺や神社も宗教施設なので決まりごとがいくつも存在しています。
観光の一つとして訪れると、ついお客さんという気持ちになって参拝してしまいがちですが、作法やマナーを守ることでお寺や神社の方だけでなくほかの参拝者へ迷惑を掛けないで済み、また恥ずかしい思いもしなくて済みます。
自分から知識を身につけてから参拝することで、気持ちを切り替えて清らかな心で参拝ができるというのもうれしい点です。
歴史あるお寺や神社の意向を尊重し、お互いが気持ち良い状態で参拝ができるよう、ぜひ知識を身に付けて参拝してみてください。

記事を書いた人
関東在住のフリーライター。街歩き・読書・映画など、ひとりで楽しめるものが好きです。