三谷幸喜が脚本を務める2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。
時の流罪人である源頼朝と姉の政子の結婚により、頼朝第一の側近となった北条義時を中心とした物語となっており、政治を動かす鎌倉殿の家臣たちの権力争いの展開を手に汗握りながら楽しめるのが魅力の作品です。
舞台となった鎌倉には、約800年経った今でもその歴史を感じられる建造物が多数のこされています。
「鎌倉殿の13人」にまつわる聖地を巡り、荘厳な時の流れに思いを馳せられるようなコースをご紹介します。

どんな場所を巡るコース?

今回ご紹介するのは、半日で気軽に「鎌倉殿の13人」の聖地をまわれるコース。
歴史探訪ができるだけでなく、休憩にぴったりなカフェも登場するので、半日でも満足感をしっかり味わえるでしょう。

「鎌倉殿の13人」の聖地巡りのコースとスケジュールをご紹介

午後からのスケジュールなので、ゆったりと午前中を過ごしたい人や家から鎌倉まで距離があるという人にもおすすめです。
無理なく鎌倉の歴史を味わえるのがうれしいコースですよ。
今回巡る半日コースのマップはこちら。

12:30 寿福寺からスタート|北条政子が開いた寺院の美しい参道を堪能

寿福寺は1200年に頼朝の死後、妻である政子が頼朝の父である源義朝の旧邸跡に明庵栄西を招いて創建した寺です。
正式には亀谷山寿福金剛禅寺と号し、13世紀後半になって禅宗の寺院となりました。
1180年に初めて鎌倉入りした頼朝は、ここに幕府を構えようとしたことでも有名で、すでに岡崎義実が堂宇を建て義朝の菩提を弔っていたことや、土地が狭かったため、当初の計画を変更したといういきさつがあります。

本尊は釈迦如来坐像で、脇には大きな仁王の像があります。
三代将軍である実朝もしばしば訪れたことがあり、最盛期には十数か所の塔頭を擁する大寺であったといわれています。
山門から石畳の参道が中門まで続いており、現在は中門の手前まで拝観できます。

境内裏手の墓地には、陸奥宗光、高浜虚子、星野立子、大佛次郎などの墓があり、さらにその奥のやぐら(鎌倉地方特有の横穴式墓所)には、北条政子と源実朝の墓と伝わる五輪塔があります。
墓地の山側にはやぐらが二つ並び、一つは政子、もう一つはその子源実朝の墓だといわれています。
実朝のやぐらには唐草のような模様が見られるので、「からくさやぐら」とか「絵かきやぐら」といわれます。
木造地蔵菩薩立像や銅造薬師如来坐像は国指定の重要文化財に指定されており、秋には紅葉を楽しめるのも見どころのひとつです。

寺院名寿福寺
住所鎌倉氏扇ガ谷1-17-7
アクセスJR鎌倉駅西口から徒歩10分
TEL0467-22-6607

13:15 鎌倉歴史文化交流館|有名建築家に建てられた博物館で北条氏の世界に浸る

世界的に著名な建築家ノーマン・フォスター氏の設計事務所(フォスター+パートナーズ)が手がけた個人住宅をリノベーションした博物館。
世界に誇る貴重な歴史的・文化的遺産を守り、後世へ伝えていくとともにその理解を深め、市民の交流を促進するのを目的に、平成29年5月に開館されました。
鎌倉で発掘された出土品をメインに、原始・古代から近現代に至る鎌倉の歴史を紹介しています。
ジオラマ・プロジェクションマッピングやVRをはじめとする最新の映像展示、随所に施された特殊な建築資材、中世の景観を彷彿とさせる庭園のほか、高台からの海の眺望も見どころです。

あじさいの季節は特段に美しい敷地内

こちらでは、鎌倉国宝館と合同で『北条氏展』という企画展が開催されています。
北条義時をはじめとした北条氏の歴史を知ることができる展示が目白押しで、「鎌倉殿の13人」とともに楽しめること間違いなしでしょう。
鎌倉殿を支える13人のうち、もっとも若く、武家政権確率の道筋を拓いた日本史上の重要人物である北条義時の生涯をコンパクトにまとめた「北条義時ハンドブック」が200円で販売されており、さらにドラマの理解を深めることが可能ですよ。

施設名鎌倉歴史文化交流館
住所神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-5-1
TEL0467-73-8501
開館時間10:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日日曜・祝日・年末年始・、展示替え期間など
料金一般400円、小・中学生150円
※鎌倉市内の小中学生と市内在住の65歳以上、
身体障がい者手帳等の交付を受けた方と付き添い1名は無料
公式サイトhttp://www.city.kamakura.kanagawa.jp/rekibun/koryukan.html

14:20 プッチェリア・べべ・カマクラでゆったりカフェ休憩

開放的なテラス席が印象的なプッチェリア・べべ・カマクラは、御成通りにある人気店であるラッテリアベベの2号店として2022年7月1日にオープンしました。
鎌倉野菜を使用した惣菜がショーケースにずらっと並んでいて、食欲が刺激されるでしょう。
スパイスとハーブ使いが得意なシェフ渾身の自家製サルシッチャ(豚肉の腸詰め)のプッチャが看板商品で、ワインやビールの種類が豊富なのもうれしいところです。

食事だけでなく、デザートにもこだわっており、チーズを使用したカッサータや、GELATERIA SANTI監修のオリジナルティラミスソフトが味わえます。ティラミスソフトは、ミルクソフトクリームの中にチーズの風味を感じてさっぱりした味わい。甘いのが苦手な方にもおすすめです。
ワインやオリーブオイルのほか、ブッラータチーズやモッツアレラチーズなども販売されているので、お土産として持ち帰るのもよいでしょう。

店名Pucceria BeBè kamakura
住所神奈川県鎌倉市小町1-4-8 A&B 鎌倉ビル 1F
電話番号0467-55-5848
営業時間11:00~20:00
定休日月曜日※祝日の場合は翌火曜日休み
URLhttps://www.instagram.com/pucceria_bebe_kamakura/

15:30 鎌倉国宝館|歴史ある博物館で鎌倉の歴史文化を知る

鎌倉国宝館は昭和3年に開館した歴史のある博物館で、鎌倉市域、近隣の社寺に伝来する彫刻・絵画・工芸・書跡・古文書・考古資料などさまざまな文化財のうち、代表的な作品の多くが寄託され、保管・展示をしています。
大正12年の関東大震災による被害を契機に設立が計画され、こうした不時の災害から由緒ある文化遺産を保護し、あわせて鎌倉を訪れる方々がこれらの文化財を容易に拝観・見学ができるよう一堂に展示する施設として企画されました。
設立に際しては趣旨に賛同した「鎌倉同人会」をはじめ、多くの人々から多額の寄付が寄せられ、昭和3年に多数の文化財の寄託を受け開館したという経緯があります。

本館は国の登録有形文化財に登録されています。
構造は鉄筋コンクリート造による高床式校倉風建築で、設計は日本銀行小樽支店や歌舞伎座(第三期)の設計で知られる岡田信一郎が担当。
外観を奈良の正倉院に模し、内部は鎌倉時代の寺院建築の手法が用いられています。
寄棟造屋根の中央部には小屋裏位置に採光用の越屋根を隠し、内部では虹梁大瓶束形式で採光用越屋根の棟を支える造りが特徴的です。
また、入り口の窓には、鎌倉を詠んだ平安時代の和歌に登場する星月のマークがかたどられたヨーロッパのステンドグラスがはめ込まれ、和風表現と近代的技法の調和に苦心した跡がうかがわれます。
こちらでは、鎌倉歴史文化交流館と合同で開催されている北条氏展が開催されています。
2館をまわって観覧することで一つの展覧会が完成する構成になっており、鎌倉武士のもつ二面性を感じることができるでしょう。

施設名鎌倉国宝館
住所神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1(鶴岡八幡宮境内)
電話番号0467-22-0753
開館時間9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日月曜日※祝日の場合は翌平日、展示替期間、特別整理期間、年末年始等
観覧料一般400円、小・中学生150円
※市内在住及び在学(小学校~大学院)の方は無料
(特別展 一般:700円、小・中学生300円)
公式サイトhttps://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/

16:30 宝戒寺|北条氏一族を弔う萩寺

鶴岡八幡宮三の鳥居前の道(横大路)を右に行った突き当りに位置するのが宝戒寺。
寺域は北条義時以来の歴代の北条得宗家の屋敷北條執権邸地跡と伝えられています。
1333年の北条氏滅亡後、その霊を弔うため、後醍醐天皇の命をうけた足利尊氏公によって建立されました。
ご本尊は鎌倉二十四地蔵尊の第一番とされる子育て経読み延命地蔵様で、鎌倉三十三観音霊場の寺院の中で唯一、准胝観音様をお祀りし、また、鎌倉江の島七福神の毘沙門天様をお祀りしているお寺です。
加えて、聖徳太子をお祀りしている聖徳太子堂や、秘仏である大聖歓喜双身天王(だいしょうかんぎそうじんてんのう)(歓喜天・聖天様(かんぎてん・しょうでんさま))をお祀りしている大聖歓喜天堂なども建てられています。

境内は花の名所としても知られており、秋のお彼岸になると境内中が白萩に埋め尽くされ、萩寺という名でも親しまれています。
また、四季折々の季節の花を楽しめるのもうれしいところ。
春は白木蓮、桜、ツツジ、木瓜、夏は睡蓮、百日紅、花虎の尾、紫陽花、秋は萩、彼岸花、ホトトギス、ツワブキ、紅葉、無患子、冬は水仙、椿、紅梅、白梅、蝋梅、思いの儘、福寿草など、いつの季節に訪れても、その時々によって異なる美しい花がお出迎えしてくれるでしょう。

寺院名宝戒寺
住所神奈川県鎌倉市小町3-5-22
電話番号0467-22-5512
公式サイトhttps://hokaiji.com/

17:30 段葛|旅の最後に鎌倉時代に思いを馳せる

鶴岡八幡宮の参道である若宮大路の中央に、一段高く造られているのが段葛。
北条政子が二代将軍・源頼家を懐妊した時、安産を祈って1182年3月に北条時政以下の御家人と共に土石を運んで築かれたものといわれています。
道の中央に段2檀を築き緑石を兼ねる葛石を並べて一段と高い道というもので、段葛の名はこの段の葛石にちなんでいます。

華やかさが増す桜の季節

道は鶴岡八幡宮に向かって近付くほどに狭くなる遠近法を利用しており、軍事上長い道と錯覚させる役割があったともいわれていますよ。
4月の桜の時期には咲き誇る桜を楽しむことができ、5月になるとツツジが咲くことでも有名です。

住所神奈川県鎌倉市雪ノ下県道21号若宮大路

18:00 鎌倉駅へ

鎌倉を訪れてドラマを深く味わおう

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、脚本やキャストに加え、演出や美術など、さまざまな分野で話題を集めている人気作のため、毎週楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
鎌倉にはその登場人物ゆかりの地が多く遺っているため、歴史の息吹を感じられる聖地を巡るのにぴったりでしょう。
さらに、企画展示などを併せて観覧することで、物語をより深く味わえること間違いなしです。
ぜひこれを機に鎌倉の歴史散歩に足を運んでみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人
関東在住のフリーライター。街歩き・読書・映画など、ひとりで楽しめるものが好きです。