鎌倉で「最も美しい石畳で知られる「寿福寺」

2020.06.03

鎌倉五山のひとつ「寿福寺」

鎌倉五山とは、鎌倉のお寺の上位5つを総称するものです。鎌倉幕府が定めたもので、一位から建長寺・円覚寺・「寿福寺」・浄智寺・浄妙寺と格付けされています。今回紹介する「寿福寺」は数多くの歴史的建造物を持つ鎌倉の中でも、建長寺・円覚寺に次ぐ鎌倉3位のお寺。にも関わらず観光地として深く知られていないことから「知る人ぞ知るお寺」として密かに注目を集めています。ぜひこの記事を心に残る鎌倉旅行のお供として活用してみてください。

”国の指定史跡”「寿福寺」の魅力

寿福寺は昭和41年に国の指定史跡に指定されたお寺です。最大の特徴は、外門から山門に至る石畳。この石畳は桂敷きという技法が使われており、不規則に並べられた中央の石を規則的に並べられた両サイドの石で挟んでいるのが特徴です。この石畳は鎌倉一美しいとされており、今日まで人々を魅了し続けています。

また、山門まで伸びる石畳に差し込む光は、どこか人々を導く光のようにも思えます。外門をくぐった瞬間の日常から切り離されたような感覚は、寿福寺ならではの体験となるでしょう。是非時間をかけてゆっくりと歩いてみてください。何気ない草木や、静かに流れる小川に身も心も癒されるはずです。

寿福寺は「源一家」「お茶」にゆかりのあるお寺

寿福寺は、源頼朝の妻である北条政子が、明菴栄西を改山に招いて1200年に建立したお寺です。この地にはもともと源頼朝の父である源義朝の屋敷があったとされています。そこで息子である頼朝は、鎌倉入りした際に「この場所に幕府をかまえよう」としましたが、父義朝の菩提を弔っていたこと、土地が狭かったことを理由に断念しました。つまり寿福寺は、ともすると鎌倉幕府の中心地であったかもしれない場所に立っているということになります。

源頼朝の死後、妻の北条政子が頼朝を弔うために、寿福寺を建立。当時は七堂伽藍(主要な建物が揃った)の立派なお寺だったそうです。しかし、火災によって現在はその姿を見ることはできません。なお、今立っているお堂は、江戸時代に再建されたものです。それでも、お堂を目の前にすると、鎌倉時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。

また、寿福寺は「お茶」にもゆかりがあります。というのも、寿福寺の建立に携わった栄西が、お茶を飲む習慣を日本に伝えた僧侶と言われているからです。栄西は、禅宗を世に広めた僧侶。中国で修行をしたのち、茶の種を持ち帰ったことで、日本中にお茶が広がったとされています。ちなみに、当時当時の日本では”禅宗は受け入れがたいもの”として敬遠され、栄西もまた強い反発にあっていました。そんな中鎌倉は禅宗に開いている地でしたので、栄西は鎌倉に逃れることとなったのです。頼朝の妻、北条政子はそんな栄西を快く迎え入れ、栄西は晴れて寿福寺の住職となったという経緯があります。

「寿福寺に来たからには、見ておきたいスポット」を紹介

寿福寺は、鎌倉五山のひとつに数えられているにも関わらず、観光客が少ない穴場スポットです。ここで紹介する見どころを参考に、ゆっくりと寿福寺を堪能してみてください。

1.山門

鎌倉一美しい石畳の参道を歩いて行くと、その先には山門が建っています。さらに山門の先には綺麗な仏殿が見えます。特別な時期を除いて立ち入ることのできない仏殿までの空間は、鎌倉時代から時が止まっているかのような風景。ぜひ五感で独特な雰囲気を味ってみてください。(なお、境内が一般公開されるのは、お正月やゴールデンウィークといった連休期間中のみです。)

2.北条政子・源実朝の墓

寿福寺には、裏山に「やぐら」があり、北条政子と頼朝の息子である源実朝の墓といわれる「五輪塔」があります。この五輪塔は牡丹唐草の模様があしらわれていることから、「えかきやぐら」「唐草やぐら」とも呼ばれており、歴史的な価値が高いお墓とも言われています。

3.墓地に至るまでの自然道

寿福寺の見どころのひとつとして、北条政子・源実朝の墓を紹介しましたが、墓地に至るまでの道中にも寿福寺の見どころがつまっています。風で揺れる木々、木々の間から差し込む太陽、鳥のさえずり、緑の匂い、どれもどこか懐かしい感覚を呼び覚ましてくれます。ゆっくりを歩を進めて、鎌倉五山の自然を堪能してみてください。

4.山に囲まれた風景・花をはじめとした植物

寿福寺内ではさまざまな植物を見ることができます。梅雨の季節には紫陽花。秋には紅葉を楽しむこともでき、四季を感じられるのも魅力のひとつです。また、墓地が山に囲まれているのも、寿福寺を語る上で欠かせない要素です。なんとも言えない山の迫力と、それとは裏腹な包容力を感じることができます。生きている時代は違えど、時代を超えてかつて源一家がこの地で感じていた魅力を共有できるのは、寿福寺ならではと言えるでしょう。

5.長期休暇中のみ公開される境内

石畳の先にある山門を超え、境内を参拝できるのは長期休暇中のみ。境内の正面には仏殿があり、中には高さ3メートルもの釈迦三尊像が安置されています。さらにその両脇には見劣りしないほどの大きさの仁王像も祀られており、その姿はまさに荘厳。仏殿の手前には、鎌倉市の指定天然記念物であるビャクシンの木を見ることもできます。ぜひ長期休暇中に鎌倉を訪れることがあれば、境内も参拝してみてはいかがでしょうか。

寿福寺の御朱印をもらう方法

寿福寺では、他の神社・寺院同様に御朱印をもらうことができます。御朱印が欲しい場合は、内玄関の受付に立ち寄って、御朱印が欲しいことを伝えましょう。

源一家にゆかりのある「寿福寺」で鎌倉を感じよう

寿福寺は、鎌倉駅から約10分ほどの閑静な場所にあります。人足が少ないため、静かな雰囲気の中時間をかけて参拝できるいわば穴場スポット。鎌倉五山のひとつとして鎌倉に残り続ける寿福寺で、ぜひ非日常的な時間を過ごしてみてください。

寿福寺
〒248-0011 神奈川県鎌倉市扇ガ谷1丁目17−7
拝観料 無料
駐車場 無し(近くに有料駐車場あり)
トイレ 有り

記事を書いた人
鎌倉の海・山・街・人が大好きな、鎌倉市在住のフリーライターです。365日中360日以上鎌倉で過ごしています。鎌倉の街をぶらぶら歩きながら、穴場スポットや隠れた名店を探すのが日頃の楽しみです。このサイトで紹介する記事には、実際に鎌倉に住んでいる僕ならではの視点と感覚を盛り込んでいます。鎌倉で過ごす時間をより楽しい時間にしたい方は、ぜひ僕の記事だけでなく、このサイトの記事を読んでみてください。個人でもツイッター・ブログを開設しているので、鎌倉について知りたいことがあれば、ご訪問ください!