鎌倉は東京や横浜からもアクセスが良く、ちょっとした日帰り旅行にもぴったり。昨年のNHK大河ドラマの舞台になったこともあり、行ってみたいと思っている人も多いはずです。
今回は、GWや5月に行われる鎌倉のイベントをご紹介。また、鎌倉ならではの自然を満喫できる、花巡りやハイキングコースなど、日々の疲れを癒し、リフレッシュできる楽しみ方もあわせてご紹介します。

逞しい木々が茂る春の鎌倉

鎌倉の春と言えば、豊かな新緑が美しく、フジ・ツツジのほか、ものによってはアジサイも咲くようなシーズン。
儚い桜景色とはうってかわって、目を奪われるような逞しい木々の茂りを見られます。
平均気温は20度近くなり、後半は汗ばむ日も続きます。日中は長袖シャツ程度で十分ですが、朝晩は冷えることもあるので注意しましょう。

文化を楽しめる鎌倉のイベント

4月から5月にかけて、鎌倉では文化を肌で感じることのできるイベントが多く行われます。
一年を通してお寺や神社などを訪れる方も多い鎌倉ですが、期間限定のイベントも開催されますので、この機会に立ち寄ってみては?

光明寺の山門楼上公開(4/1~5/7)

材木座に位置する浄土宗の寺院である光明寺。開基は北条経時、開山は浄土宗三祖然阿良忠で、佐助ヶ谷に開創した蓮華寺を起源としているといわれています。

光明寺の山門楼上特別公開は春と秋の年に2回行われます。
山門の上の階には、釈迦三尊像と十六羅漢、四天王像が安置されており、特別にその姿を拝むことができます。仏像は3ブロックに分かれて安置され、中央には釈迦三尊像と四天王像が。表情豊かな十六羅漢像も見どころです。

また、稲村ケ崎の切通が見え、その奥には江ノ島も望めるなど、年に2回しかみられない特別な景色も魅力です。

スポット名光明寺
住所神奈川県鎌倉市材木座6-17-19
電話番号0467-22-0603
参拝時間6:00~17:00
URLhttps://komyoji-kamakura.or.jp/

逗子海岸映画祭(4/28~5/7)

Play with The Earth ~地球と遊ぶ~をコンセプトとしており、10日間だけ海辺にあらわれる野外映画館。
「スワロウテイル」「メン・イン・ブラック2」「JUST CRUISE 2」など、国内外の優れた映画作品を野外で楽しめるイベントです。

画像提供:PIXTA

また、そのほかにもさまざまなコンテンツを展開。日替わりで楽しめるフードコートやバザール、砂浜のスケートランプ、海辺のメリーゴーランドなど、一日中楽しめる華やかなブースが並びます。
モーニングビーチヨガ、アート作品の展示、砂浜のラジオ局などのイベントも盛りだくさん。要予約制のものもあるので、ぜひ事前にチェックしてみてください。

スポット名逗子海岸
住所神奈川県逗子市新宿2-3
電話番号不明
営業時間土日祝:11:00開場
平日:15:00開場
URLhttps://zushifilm.com/

円覚寺舎利殿の特別公開(5/4~5/6)

北鎌倉駅下車徒歩1分とアクセスのよい場所にある円覚寺。本尊は宝冠釈迦如来、開基は北条時宗、開山は無学祖元です。
鎌倉市内で国宝となっている建造物は、実は円覚寺の舎利殿のみ。普段は非公開とされており、基本的に年に3回・数日間のみ公開されます。

舎利殿とは、円覚寺の塔頭・正続院の奥にある建造物のことで、佛牙舎利と尊崇されるお釈迦様の歯牙を祀っている場所です。
この舎利殿は鎌倉にあった太平寺の佛殿を移築したもので、中国、南宋時代の建築様式に学んだ禅宗様建築の代表的な遺構です。
国宝にも指定されている貴重で美しい建造物を見られるのは年に10日弱ほど。機会が合えばぜひ見に行ってみてください。

スポット名円覚寺
住所神奈川県鎌倉市山ノ内409
電話番号0467-22-0478
参拝時間8:00~16:30
URLhttps://www.engakuji.or.jp/

北鎌倉古民家ミュージアム『鎌倉花アート展』(4/14~5/8)

北鎌倉駅から徒歩2分という立地にある北鎌倉古民家ミュージアムでは、春らしさ満載の『鎌倉花のアート展』が開催されます。
3つのアートのコラボ展ということで、詩画作家・星野富弘さんの花を描いた詩画、イラストレーター・みなみななみさんの優しいタッチのイラスト、繊細に花を表現する樹脂粘土の作品をそれぞれ堪能することができます。どの作品も優しい雰囲気を醸し出すものばかり。
こだわって古民家で作り上げられたミュージアム。古都鎌倉の雰囲気を色濃く残す北鎌倉で、風情を感じながらアートの世界に浸ってみては?

スポット名北鎌倉古民家ミュージアム
イベント期間2023年4月14日(金)~5月8日(月)
入場料大人500円 中高生300円 小学生200円
住所神奈川県鎌倉市山ノ内392−1
電話0467-25-5641
営業時間10:00~17:00(最終入場は16:30まで)
休館日会期中お休みはありません。
公式HPhttps://www.kominka-museum.com/

鶴岡八幡宮の菖蒲祭(5/5)

5月5日「端午の節句」は、別名「菖蒲の節句」ともいわれ、宮中では平安時代より盛んに催された節会のひとつ。
菖蒲は古来より不浄を払い邪気を避けるものとされてきたのに加え、武道・武勇を重んじる「尚武」に通じ、菖蒲の節句は男児の誕生と成長を祝う尚武の節句でもあります。

鶴岡八幡宮の菖蒲祭は、氏子崇敬者の無病息災と延命長寿を祈願して執り行われます。
神饌調理の器に菖蒲の葉が敷かれて盛り付けされ、御神酒の徳利には菖蒲の葉がさし入れられて供えられます。さらに、延命長寿の祝詞が奏され、舞楽が奉納されるのも見どころです。

スポット名鶴岡八幡宮
住所神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
電話番号0467-22-0315
参拝時間8:00~20:30
URLhttps://www.hachimangu.or.jp/

鎌倉プロックフェスティバル(5/14)

鎌倉プチロックフェスティバルは、2014年から始まった「電気を使わない屋外ライブ音楽祭」。
音楽そのものにもっと純粋に興味を持ってほしい、より身近に感じてほしいという想いから生まれたイベントです。
このフェスでは多くのアーティストがそれぞれの場所で、アンプラグドライブ(マイク以外電気を使わずにアコースティックな楽器だけでの演奏する)を行います。エコの観点ではなく、良い演奏をより近くで聴いてほしいという考えからこのスタイルになったとのこと。
入場無料のイベントなので、思い思いのスタイルで、音楽を楽しんでみては?

スポット名鎌倉海浜公園由比ガ浜地区
住所神奈川県鎌倉市由比ガ浜4-7-1
営業時間10:00~17:00
URLhttps://www.kprf.jp/

鎌人いち場(5/21)

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鎌人いち場とは、広い公園内にモノの行き交うフリーマーケットのような市場、気持ちが行き交う広場、情報が行き交う井戸端の3つの場を用意したイベント。
外国の方々との文化交流や鎌倉のショップの情報紹介、NPO団体等の活動紹介など、さまざまな人との出会いを経験することを目的としています。

出店エリアは交わる場(知る場・ワークショップ・ジャムプラザ)と売る場、食べる場の3カテゴリがあり、鎌倉在住・在勤の人々が中心となっているため、鎌倉を知るきっかけにもなります。

スポット名鎌倉海浜公園由比ガ浜地区
住所神奈川県鎌倉市由比ガ浜4-7-1
電話番号不明
営業時間9:00~16:00
URLhttp://kamandoichiba.com/index.html

長谷の市(5/21)

長谷の市は、鎌倉長谷の門前商店街が中心となり、5月と10月の第三日曜日に開催しているイベント。
僧門と商人と住人の三位が一体となって魅力ある『現代の門前町づくり』に取り組み、長谷と鎌倉の繁栄を創造するまつりごととされています。

朝市会場では、地元グルメ、新鮮野菜やお花、ワークショップなど、活気に満ちた朝市を楽しめます。また、メイン会場である長谷寺会場では、飲食や物販ブース、縁日コーナー、ステージなどイベントが盛りだくさん。
さらにフリーマーケットやスタンプラリーも催されているので、子どもから大人まで楽しめるでしょう。

スポット名長谷寺境内など
住所長谷寺周辺
電話番号不明
営業時間・朝市@光則寺:AM8:00~AM11:00
・メイン会場@長谷寺:AM9:00~PM4:00
・フリーマーケット@ファミリーマート鎌倉長谷店:AM9:00~PM1:00
・スタンプラリー:AM9:00~PM16:00
URLhttp://hasenoiti.izakamakura.com/

まんだら堂やぐら群の特別公開(4/22~5/29)

国指定史跡名越切通の中にあるまんだら堂やぐら群。
150穴以上の存在が確認されている有数のやぐら群で、たいへん貴重なスポットです。やぐらの中に並ぶ五輪塔は、後の時代に動かされているものが多いので、中世の姿そのままとは言えませんが、主に火葬した骨を納めるなどして供養するために建てられたもの。

ここは保存管理の都合上、期間限定で公開しており、後悔期間は初夏と秋の一定期間のうちの土、日、月曜日と祝日のみ。
公開日以外は入場することはできませんが、入り口フェンス越しに、やぐら群の一部を見ることができます。

スポット名まんだら堂やぐら群
住所神奈川県逗子市小坪7丁目 国史跡「名越切通」内
電話番号不明
営業時間10:00~15:00
URLhttps://www.city.zushi.kanagawa.jp/shiminkatsudo/bunkazai/1004537/1007768.html

鎌倉ビーチフェスタ2023(5/27,28)

鎌倉の海のすばらしさを改めて知ってもらいたいという想いを込めて開催されている『鎌倉ビーチフェスタ』。2023年は4年ぶりの開催ということで楽しみにしていた方も多いかもしれません。
イベント当日は、由比ガ浜海岸の特設ステージでフラダンスやビーチライブが行われたり、海浜公園でも出店があるなど、ビーチを感じながら楽しめるイベントが盛りだくさん。
美しい海をバックに、初夏の鎌倉を堪能するのにぴったりのイベントです。

スポット名由比ヶ浜海岸、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区
住所神奈川県鎌倉市由比ガ浜4-7-1
電話番号0467-23-2561(鎌倉商工会議所内)
開催時間10:00~16:30 ※28日は16:00まで
URLhttps://www.facebook.com/kamakurabeachfesta/

自然を味わう鎌倉の花巡り

春の鎌倉は、桜以外にも多くの花が咲き乱れ華やかな雰囲気に包まれます。ぼたんやつつじ、藤の花も有名なスポットが点在しているので、花巡りをして春の鎌倉を満喫してみてはいかがでしょうか?

鶴岡八幡宮の藤・ぼたんの花

鶴岡八幡宮には境内を彩るたくさんの花が植えられており、季節ごとにその美しさを楽しめます。初夏に見頃を迎えるのは藤とぼたんの花。
源氏池のほとりの休憩所には紫の藤、旗上弁財天社では白藤が。零れ落ちるかのように咲き乱れる美しさに目を奪われます。

源氏池のほとりに開かれた廻遊式日本庭園である神苑ぼたん庭園では、正月ぼたん、春ぼたんが植えられており、季節には大勢の拝観者でにぎわいます。
春に見られる鎌倉ぼたんは、冬ぼたんに比べて大ぶりな花が特徴。和傘を被った風流な姿を見られます。

スポット名鶴岡八幡宮
住所神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
電話番号0467-22-0315
参拝時間8:00~20:30
URLhttps://www.hachimangu.or.jp/

仏行寺のつつじの花

笛田公園のほど近くにある仏行寺。日蓮宗の仏行寺は、源頼朝に信頼された梶原景時の子・景季の菩提寺です。創建は1495年といわれており、本尊は曼荼羅。
本堂は関東大震災で倒壊したため、その後建て直されています。

鎌倉のつつじの名所としても知られており、鎌倉の有名な観光地からは少し離れているため、穴場スポットとも言えます。本殿背後の斜面一面に広がる色とりどりのつつじが見どころ。
鮮やかなピンクの花は生命力に溢れ、力が漲るよう。美しい庭園と山とともに、自然の息吹を存分に味わえます。

スポット名仏行寺
住所神奈川県鎌倉市笛田3-29-22
電話番号0467-32-2032
参拝時間~日没まで
URLなし

円覚寺のヤマブキ

北鎌倉駅下車徒歩1分の位置にある円覚寺。予約不要で座禅体験や写経体験ができるほか、高台にある弁天堂茶屋ではあんみつやおしるこなどの甘味を戴きながら休憩ができます。
鎌倉屈指の紅葉の見どころであり、梅、新緑、アジサイなど、四季折々の豊かな自然を楽しめるお寺です。

初夏には色鮮やかなヤマブキが見頃。
黄梅院の手前の坂道では、道にはみ出すように大きなヤマブキが花を咲かせます。そのほかにも、ヤエヤマブキや白い花を咲かせるヤマブキなど、珍しいものが咲いているのも見どころです。

スポット名円覚寺
住所神奈川県鎌倉市山ノ内409
電話番号0467-22-0478
参拝時間8:00~16:30 
URLhttps://www.engakuji.or.jp/

気持よく体を動かせる鎌倉のハイキングコース

気候がいいこの時期は、外で体を動かすのも気持ちがいいものです。鎌倉には、気軽に挑戦できるハイキングコースがたくさんあります。初心者の方も歩くことのできるコースをご紹介。

葛原岡・大仏ハイキングコース

約3kmのハイキングコースで、浄智寺→葛原岡神社→銭新井弁財天→佐助稲荷→高徳院という順路。
浄智寺入口までは北鎌倉駅から徒歩15分、大谷戸入口までは鎌倉駅より徒歩15分です。鎌倉市街の西側に連なる小高い丘を北から南へ抜けるので、アップダウンがあり、山歩きの気分を味わえるのが魅力。

鎌倉を代表する観光スポットを繋いでいるので、鎌倉初心者にもおすすめです。
趣のある住居や裏山、北鎌倉にひっそり佇む非公開の茶室の門、休憩ポイントである史跡・天柱峰、こもれび広場など、美しい自然と鎌倉らしい景色が楽しめます。
途中にある葛原岡で名物の玉こんにゃくを食べるのもおすすめです。

スポット名葛原岡・大仏ハイキングコース
住所神奈川県鎌倉市山ノ内1418

天園ハイキングコース

天園ハイキングコースは約5.5kmの道のり。今泉台住宅地入口、半僧坊入口、今泉台六丁目公園入口、覚園寺入口、瑞泉寺入口など、アクセスポイントが多いのも魅力です。
体力に自信がない初心者でも安心して挑戦できる難易度でありながら、登山ならではの手応えと達成感もしっかり味わえるコースになっています。

スタートは建長寺。北鎌倉駅から約15分ほどです。入場には拝観料500円が必要。
天狗の銅像や半僧坊など見どころもたくさんあります。さらにコース中最も標高が高い大平山の眺望や山中の自然も魅力。小町通りでは食事処や土産処がたくさんあります。

スポット名天園ハイキングコース
住所神奈川県鎌倉市山ノ内197-66

衣張山ハイキングコース

衣張山ハイキングコースは鎌倉東部の外周を巡るコース。起伏も大きく、全長5kmの歩きごたえのある道のりが特徴です。
金沢街道の杉本寺、報国寺方面から衣張山を経て、最長で逗子の岩殿寺までがコースとなっています。

杉本寺からは衣張山が望めます。衣張山は鎌倉幕府を創設した源頼朝と妻の政子がこの山に衣を張って雪山に見立てて涼をとったという伝説が名前の由来となっています。
逗子方面の大切岸や名越の切通しなどの歴史遺跡にも触れることができます。

スポット名衣張山ハイキングコース
住所神奈川県鎌倉市大町6-7-21
電話番号不明
営業時間不明
URLなし

GWや週末の注意点

鎌倉市内は、時期によって大混雑する場合があります。ゴールデンウィークは毎年特に混雑する傾向にあり、訪れる際は何点か注意事項が。しっかり確認して対策を練り、楽しい鎌倉での時間を過ごしてください。

交通機関は混雑が予想される

午前9時以降から公共交通機関が込み始めるため、混雑を避けたいなら朝早めに行くのがおすすめ。また、午後3時以降は帰宅する人が増えるので、それ以前に鎌倉を出ると、比較的混雑を避けられるでしょう。
徒歩での観光時は駅〜小町通り〜鶴岡八幡宮の道が大変混雑します。
子供連れで出掛ける予定の人ははぐれないように注意が必要です。混雑時は若宮大路や線路わきの道などを使用するのもおすすめ。

人気店は行列覚悟

GWや週末の飲食店はほとんどのお店が混んでおり、人気なお店は長蛇の列ができていることも。
大人数や子連れの場合、待ち時間が更に増えることも予想されるので、軽食を持っていく、ランチの時間をずらすなどの対策をするとよいです。

公園・海はトンビに注意

こちらはGWや週末に限ったことではありませんが、屋外でごはんやおやつを食べようとすると、トンビに狙われてしまいます。
食べ物を取られてしまうほか、鋭いくちばしに当たって怪我をすることも。食事はできるだけ屋内や屋根のある場所で取るようにしましょう。

鎌倉の文化と自然に触れる絶好の機会

自然に囲まれた鎌倉の新緑は、実際に足を運んでみるとその見ごたえに驚きます。
お寺や神社などでは、歴史や文化を学べるだけではなく、宏大な境内に植えられた美しい草木や花の数々に心癒され、四季の美しさを実感し、リフレッシュすることもできます。
また、映画祭やフリーマーケットなど、鎌倉近辺に居住している人達とふれあい新しい情報を得られるイベントも数多く開催されます。GWや5月は鎌倉の文化、自然に親しむ絶好の機会といえるでしょう。
初夏の風に誘われて、ぜひ鎌倉に足を運んでみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人
関東在住のフリーライター。街歩き・読書・映画など、ひとりで楽しめるものが好きです。