鎌倉は観光やグルメを満喫する方が多いと思いますが、自然に囲まれているためハイキングを楽しむこともできます。いくつかハイキングコースがありますが、半日ちょっとあれば歩ききれるコースも多く、気軽にチャレンジできるのが特徴です。
今回は鎌倉のハイキングコースの中でも人気の『天園ハイキングコース』に行ってきました。子連れでも楽しめましたよ!
見どころやハイキングコース近くのおすすめスポットも含めてお伝えします。

天園ハイキングコースはどんなコース?

まずは天園ハイキングコースの概要をまとめました。
鎌倉のハイキングコースの中では少し時間のかかるコースですが、初心者や子連れの方でも挑戦できます。分岐が多いので、自分の体力に合わせて短いルートに変更することもできます。体力がある方は様々なルートを楽しめるので、何度も訪れる方も多いようですよ。
今回は永福寺跡から出発し、建長寺まで向かうコースを進みました。建長寺方面からくる方ともたくさんすれ違いました。

ルートJR鎌倉駅 ⇒ 鎌倉宮バス停 ⇒ 永福寺跡 ⇒ 獅子舞の谷 ⇒ 天園 ⇒ 大平山 ⇒ 十王岩
⇒ 勝上嶽展望台 ⇒ 半僧坊 ⇒ 建長寺 ⇒ JR北鎌倉駅
所要時間約2時間30分(お昼休憩含むと約4時間半)
難易度中級者からがおすすめ
歩行距離約4km
アクセス「行き」JR鎌倉駅からバスで鎌倉宮 ⇒「帰り」JR北鎌倉駅

天園ハイキングコースを歩いてきた!詳細をご紹介

人気の天園ハイキングコースを歩いてきました!
12月初めに行ったのですが、木々が色づき始めていて紅葉も満喫できましたよ。
新緑の中のハイキングも気持ちがいいと思いますが、天園ハイキングコースは紅葉スポットも含まれるので、紅葉シーズンに行くのがおすすめです。
子供たちも、木の根っこや岩に登って楽しみながら歩くことができていました。写真付きで詳細をご紹介していきます。

永福寺跡〜獅子舞の谷〜天園

鎌倉駅から「鎌倉宮(大塔宮)」行きのバスに乗り、鎌倉宮のバス停で降ります。
そこから永福寺跡までは徒歩15分ほどです。ここが今回のハイキングのスタート地点になります。少しだけ紅葉していました。

ハイキングコースに入ると一気に山道になります。
足場が悪かったり濡れていたりして滑りやすいところもありました。山道に慣れないうちは、子供と慎重に進んでいきましたよ。

少し進んでいくと、少し開けた場所にたどり着きます。
こちらが紅葉の隠れ名所である『獅子舞の谷』です。寺院などで見る紅葉とは一味違う、まさに紅葉狩り、という感じ。
美しく色づいた木々に囲まれて、神秘的な雰囲気を感じることができました。

真っ赤なもみじに目を奪われながら、山道を登っていきます。
少し頑張って登らなければいけない道でしたが、きれいな景色を見ながらであれば疲れも感じませんでした。

天園に向かって進んでいくと、段々と山に登ってきたからこそ見ることのできる景色が出迎えてくれます。
紅葉の絶景スポットとはまた違う美しさと開放感で、気分転換をしながら進むことができましたよ。

そして到着した天園からはこんな景色を見ることができました。
相模・伊豆・武蔵・上総・下総・安房の6国を見渡すことができたので、「六国峠」とも呼ばれている展望スポットです。
少しスペースがあったので、こちらでシートを敷いてお弁当を広げている方もいました。

天園〜十王岩(天園近くの広場でお昼休憩)

今回のハイキングでは、天園と大平山の山頂の間にある広場でお昼休憩を取りました(写真下部に写っている広場)。
ベンチなどはないので、皆さんシートを敷いてお弁当などを食べていましたが、トンビが空を飛び回っているので注意が必要です。また、この広場のすぐ近くには公衆トイレがありました。

大平山の山頂に上り見渡してみると、隣には鎌倉カントリークラブやゴルフ場、遠くには横浜のみなとみらいが見えています。
この大平山の山頂は、鎌倉市の最高地点だそうですよ。

天園と山頂で絶景を堪能したら、再び山道を進みます。落ち葉も多く滑りそうになることもありましたが、子供も山道に慣れてきていたので、踏みしめながらどんどん進んでいきました。
この辺りは緑に囲まれて気持ちがよかったです。

この案内板が見えたら、もうすぐ絶景をのぞむことのできるビューポイント『十王岩』です。

十王岩〜半僧坊〜建長寺

十王岩まで来ると、こちらも絶景ポイントです。海と鎌倉の街並みではあるのですが、よく見ると若宮大路がはっきりと見えました。
「かながわの景勝50選」に選ばれている景色なんですよ。そこまで目立つポイントではないので、周辺に来たら、気にかけて探してみてくださいね。

十王岩の周辺も、木の根っ子や坂になっているところなど、山道が続いていました。
途中滑りそうなところもありましたが、慎重に行けば大丈夫です。子供もコースのこの辺りまでくると歩き方のコツをつかんできて、上手に歩いていました。普段のお散歩ではなかなか体験できることではないので、貴重な時間になりますね。

十王岩から進むこと15分ほどで、建長寺の上に到達します。勝上嶽展望台です。ここまで来れば、天園ハイキングコースのゴールはすぐそこですよ。
この展望台からは建長寺を上から見下ろすことができました。建長寺は、谷全体が境内になっています。

勝上嶽展望台からは富士山を見ることもできますよ。この日は雲に隠れてうっすらでした。
ここから急な階段を下っていくと、建長寺の最奥にある半蔵坊があります。

ハイキングをした日は紅葉と天狗の光景が見れました。
天園ハイキングコースから建長寺に入った場合は、半僧坊で拝観料を払います。少しベンチなどもあるので、一休みして建長寺をゆったりと見渡してから進むことができますよ。
半僧坊から建長寺の総門までは、しっかりと見学しながら向かうと30分ほどかかります。建長寺は本当に境内が広いですね。

半僧坊も建長寺の中で一番奥の高い場所にあるので、急な階段を降りて見上げるとこんな感じです。

紅葉シーズンは半僧坊までの参道は見どころ。
天園ハイキングコースの中で、獅子舞の谷と同様に紅葉時期は見逃せないポイントですよ。
紅葉以外にも見どころの多い寺院なので、じっくり見ながら総門へ向かいます。

建長寺に入って30分ほどで総門に到着し、ハイキングは終了となります。
お昼休憩を挟めば、疲れ切ることなくコースを歩ききることができました。
自然や絶景、観光名所も網羅している天園ハイキングコース。しっかり歩くことができる子であれば、子連れハイキングも可能です。
初心者でも適度に休憩を取りながら、ぜひ鎌倉の大自然を満喫してくださいね。

天園ハイキングコースの見どころとは?

天園ハイキングコースには見どころがたくさんあります!。
その中でも見逃してほしくないポイントをまとめましたので参考にしてください。

見どころ1. 獅子舞の谷|秋に大満喫!真っ赤に染まる紅葉の中をハイキング

永福寺跡の方からハイキングをスタートして山道を歩いていくと、獅子舞の谷に到着します。獅子舞の谷は、鎌倉の山の中で一番の紅葉の名所と言っていい場所です。イチョウともみじがあるので、少し早くイチョウが見頃を迎え、その後黄色の絨毯に真っ赤なもみじという美しく幻想的な景色を見ることができます。
紅葉シーズンには人が増えますが、紅葉の名所である鎌倉の寺院や神社に比べると、ゆったりと自然の中で紅葉を満喫できる隠れ名所と言えます。紅葉シーズンの晴れた獅子舞の谷は、色づいた葉の隙間から光が差し込み、神秘的とも言える景色を見ることができるので本当におすすめ。

見どころ2. 天園|由比ヶ浜を見下ろす開けた景色

天園の広場からは、鎌倉の街とその先に広がる海を見渡すことができます。
ハイキングコースの名前となっている天園とは、東郷平八郎が「天国の園に遊ぶよう」と形容したことに由来していると言われています。そう表現された通り、素晴らしい景色を望むことのできるスポットですよ。
天園ハイキングコースは難しいコースではありませんが、基本的にひたすら山道を進むので、開けた視界で絶景が見える場所は最高のご褒美のように感じることができますよ。

見どころ3. 十王岩|若宮大路を望むパワースポット

次の見どころでご紹介する勝上嶽展望台から5分ほどの場所にある十王岩。風化が進んでいますが、3体の仏像(如意輪観音・血盆地蔵・閻魔大王)が彫られています。毎晩不気味な音を立てていたことから、「喚きの十王」とも呼ばれていました。
十王岩からは、鎌倉の街並みや相模湾を一望することができます。よく見ると、一直線に海へと向かって伸びる若宮大路も見えます。この岩が、鶴岡八幡宮の真裏に位置していることがわかります。この美しい絶景は「かながわの景勝50選」にも選ばれていますよ。山道の途中にあり、気づかずに通り過ぎている方もいるようでした。絶好のビューポイントなのでお見逃しなく!

見どころ4. 勝上嶽展望台と半僧坊|建長寺を見渡す絶景

今回のハイキングコースのゴール地点建長寺に辿り着く手前に、絶景ポイントが続いていました。
まず、十王岩の方に近いビューポイントは勝上嶽展望台。
建長寺の全景と相模湾を一望することができます。北鎌倉を代表する景勝地であり、晴れると富士山を見ることもできる絶景ポイントです。

勝上嶽展望台から急な階段を降りていくと、半僧坊に到着。建長寺の最奥に位置していますよ。天園ハイキングコースから半僧坊へ着くと、こちらで拝観料を納める形になります。
半僧坊からの眺めも絶景。紅葉シーズンには、天狗像と共に紅葉風景も堪能することができるスポットです。富士見台というのもあって、天気がいいとこちらからも富士山を眺めることができます。

見どころ5. 建長寺|紅葉の名所も満喫

ハイキングコースのゴール地点である建長寺も、もちろん見逃せない見どころ満載のスポットです。
鎌倉五山第一位であり、総門や山門などは国の重要文化財に指定されています。

紅葉シーズンはもみじもイチョウも美しく色づき、広い境内を時間をかけてじっくり見てまわりたくなる紅葉スポットでもありますよ。
半僧坊から建長寺の総門に着くまでも20〜30分ほどかかるので、これだけでも建長寺を堪能できるでしょう。建長寺の境内から半僧坊へ向かう山道は、特に紅葉がきれいなポイントです。

見どころ6. 瑞泉寺|広大な紅葉に包まれる紅葉スポット

今回のハイキングでは訪れなかったのですが、スタート地点の永福寺跡から徒歩10分ほどの場所にあり、ハイキングのスタート地点にもできる『瑞泉寺』。
紅葉シーズンには、こちらも紅葉の名所なのでおすすめです。さらに花の寺とも呼ばれているので、四季折々の風景を楽しむことのできる寺院です。静かな雰囲気に包まれた境内では、ゆったりと過ごすことができますよ。
本堂裏手にある瑞泉寺庭園も迫力のある岩の庭として知られているので、ぜひ見てみてくださいね。

ハイキング後のおすすめカフェをご紹介

今回のハイキングコースのゴール地点である北鎌倉には、おしゃれなカフェが点在しています。ハイキング後の時間をリラックスして過ごせるお店をご紹介します。

喫茶ミンカ|古民家カフェでゆったり癒し時間を過ごす

路地に入った場所にありながら、大人気の古民家カフェ喫茶ミンカ。普通に通ったら素通りしてしまうような場所にひっそりと佇むお店です。古民家の良さが活かされたおしゃれな店内は、思い思いの時間を過ごせるようなのんびりとした雰囲気。

可愛らしい自家製プリンはお店の雰囲気にマッチしていておすすめです。甘すぎずホッとできる昔懐かしい味わい。ハイキング後の疲れた身体を癒してくれるスイーツです。

店名喫茶 ミンカ
住所鎌倉市山ノ内377-2
電話番号0467-50-0221
営業時間11:30~17:30
定休日金曜日

喫茶 吉野|昔ながらの喫茶店でカフェタイム

東慶寺の階段下にある喫茶 吉野。隠れ家のように静かに佇むレトロな雰囲気のお店です。
アンティーク調で統一されていて、懐かしい空気感が居心地のいい店内。おしゃれなのに優しい雰囲気が漂うので、ついつい長居してしまいそうです。

おすすめメニューはフルーツケーキとコーヒー。
フルーツケーキはスパイスが効いていて、シンプルながらもクセになるおいしさです。お店こだわりのコーヒーと一緒に味わってみてくださいね。

店名喫茶 吉野
住所鎌倉市山ノ内1379
電話番号0467-24-9245
営業時間10:00~16:30
定休日不定休

VERVE COFFEE ROASTERS 北鎌倉店|おしゃれカフェでゆっくり過ごす

カリフォルニア発のスペシャルティコーヒーを味わうことのできるお店。世界中の農園から最高品質のコーヒーを買い付けるほどにこだわったコーヒーをいただくことができますよ。

VERVE COFFEE ROASTERS 北鎌倉店は店内が広々としているので、ハイキング後の時間をゆっくりと過ごすことができておすすめです。
パウンドケーキやワッフルなどのスイーツも、コーヒーと共に味わってみてください。
開放感のあるおしゃれな店内で、ハイキングで疲れた足を休ませて元気をチャージしましょう。

店名VERVE COFFEE ROASTERS 北鎌倉店
住所鎌倉市山ノ内1395
電話番号0467-81-4495
営業時間7:00~19:00
定休日金曜日
URLhttps://vervecoffee.jp/pages/kitakamakura

天園ハイキングコースのおすすめポイント

鎌倉のハイキングコースの中でも人気のある天園ハイキングコース。
魅力の多いこのコースを実際にハイキングしてみて、ここはいい!と思ったポイントがいくつかありました。おすすめポイントを3つご紹介します。

ポイント1. 絶景ポイントがたくさんある

天園ハイキングコースを歩いてみて感じたおすすめポイントとしてまず最初に挙げられるのが、絶景ポイントが点在しているということ。
海や鎌倉の街並みを見下ろすことのできる開放感のある景色をはじめとして、秋には紅葉を楽しめるポイントもあります。鎌倉の街もポイントによってもちろん見え方が異なりますし、広い空と海を眺めるだけでも疲れが吹き飛びます。

また、紅葉の楽しみ方も山ならではで、外から美しい風景を眺めるだけでなく、紅葉している木々の中に身を置いて観賞できるところが特別感がありますよね。
黄色いイチョウの葉の絨毯の上を歩きながら赤いもみじを眺めるのは贅沢だなと感じました。寺院などで紅葉を見るのとは一味違う楽しみ方ができます。

ポイント2. 子連れもOKの難易度

ハイキングというと、山道を延々と歩くから、体力の面でも気持ちの面でも子供を連れて行けるかな…と不安になる方も多いと思います。
ですが、今回4歳の子を連れてハイキングしてみて、最後まで辿り着くかという不安とは裏腹に、最後までしっかりと楽しむことができました。
途中に岩場などもあるので、子供にとってはちょうどいい休憩スポットになっていましたよ。座って休憩することもありましたが、安全を確認しながらよじ登ったりとアスレチック感覚で楽しんでいることも。

足場が悪い場所はサポートが必要ですが、滑りにくい靴を履いていけば、基本的には一人で進むことができていました。
お昼休憩をとった天園近くの広場には公衆トイレがあり、それも子連れハイキングで安心できたポイントでした。
水分補給や服装など、きちんと準備していけば、子連れでも一緒に楽しむことのできるハイキングコースです。自然を体感できる、本当に良い機会だったなと感じています。

ポイント3. 分岐でコース選択できて様々なコースを楽しめる

永福寺跡をスタート地点とした今回の天園ハイキングコースでのハイキング。
途中で何度も分岐地点がありました。同行した仲間の中で赤ちゃん連れの家族もいたのですが、おんぶしているので疲れたら、獅子舞の谷を抜けた後に瑞泉寺や覚園寺、鎌倉宮に折り返してハイキングを終えるという選択肢も考えていました。
このようにショートカットすることもでき、それでも見どころを押さえたハイキングを楽しめるのはとても嬉しいポイントだなと思います。

また、今回は建長寺をゴール地点としてハイキングを終えましたが、明月院まで歩くコースもありました。ただそれだと時間がかかるので、子供たちに余裕があるうちにハイキングを終えることにしました。子連れだったり体力にあまり自信のない方の場合、その日のコンディションに合わせてコースを選べるのは助かりますよね。
季節によってコースを変更するのもいいかもしれません。何度訪れても違う楽しみ方ができるのも、天園ハイキングコースの魅力の一つです。

天園ハイキングコースで鎌倉の自然を堪能しよう!

鎌倉のハイキングコースの中でも人気のある天園ハイキングコース。
比較的気軽にチャレンジできる鎌倉ハイキングですが、選ぶルートによってはしっかりとハイキングを楽しむことができるコースです。見どころも盛りだくさんなので、経験者の方でも満喫できますよ。初心者の方、子連れの方もきちんと準備して行けば安心して楽しめますので、鎌倉の人気コースでハイキングデビューをしてみては?
紅葉シーズンは特に美しい自然を堪能できておすすめですが、どの時期でも自分の気になるルートで楽しんでみてくださいね。

記事を書いた人
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