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鎌倉の紅葉、いつどこへ行けば正解? 2025年の見頃と名所を地元編集部が案内

2025.11.21

海と山に抱かれた鎌倉は、季節の移ろいを肌で感じられるまちです。とくに秋は寺社の静けさに色づきが重なり、いつもの道もふと足を止めたくなるほど表情を変えます。紅葉の名所として知られるお寺はもちろん、普段は見過ごしてしまうような小径や境内まで、思わず引き寄せられる景色があちこちに広がる季節です。

「紅葉を見たいけれど、いつ、どこへ行けばいいの?」

そんな人に向けて、2025年の鎌倉紅葉の最新状況をまとめました。

多くのスポットは11月末から12月が見ごろ

鎌倉の紅葉は、例年 11月下旬〜12月上旬に見ごろを迎えることが多いです。ただし、日照時間や気温の変化でタイミングが前後するため、ここで紹介する時期はあくまで“目安”。今年ならではの状況を知りたい人は、各お寺が発信している最新情報をチェックするのもおすすめです。このページでも、随時確認できるリンクをまとめています。

また、お寺によっては紅葉の時期にあわせて ライトアップ を実施する場所も。日中とはまったく表情が変わり、静かな闇に浮かぶ紅葉は息をのむほどの美しさです。見ごろ予想とあわせて、そうした特別な時間を狙って訪れるのも良いかもしれません。

11月中に行くなら…長谷エリアが◎

海からの風がふわりと届く長谷は、鎌倉のなかでも紅葉が早く進むエリア。秋が深まり始める11月中旬には、境内のもみじがほんのり色づき、山あいの寺院が季節の移ろいをやさしく知らせてくれます。

長谷寺はライトアップあり

2025年11月9日時点の長谷寺は、「一部で色づきはじめているものの、まだ緑が多い」 という状況。例年の見ごろは 11月下旬 なので、これから一気に鮮やかさが増してくるタイミングです。紅葉の進み具合は、近く公式サイトでも更新される予定とのこと。

とくに夜のライトアップは、長谷寺の秋を象徴する名物。静かな境内に灯りがともり、赤や黄の葉が水面や石段に映り込む様子は、思わず息をのむ美しさです。
今年の紅葉にあわせたライトアップは、11月22日(土)〜12月7日(日) に実施されます。最終入場は 19:00、拝観は 19:30 まで と、夜の長谷をじっくり味わえる時間設定になっています。紅葉状況によっては期間延長の可能性もあるそうなので、最新情報のチェックがおすすめです。

長谷寺の紅葉ポイントを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にどうぞ。

スポット名長谷寺
アクセス江ノ電「長谷駅」より徒歩5分
住所神奈川県鎌倉市長谷 3-11-2
電話番号0467-22-6300
参拝時間7月~3月:8:00~16:30(閉山17:00)
4月~6日:8:00~17:00(閉山17:30)
拝観料大人:400円/小学生:200円
URLhttps://www.hasedera.jp/

高徳院では期間限定の御朱印をゲットしたい

長谷に足を運ぶなら、鎌倉の大仏さまが鎮座する 高徳院 もぜひ立ち寄りたいスポット。紅葉の季節になると、堂々と佇む大仏さまの背後に赤や黄が重なり、秋ならではの“鎌倉らしい”風景が広がります。大仏さまを眺めたあとは、ゆっくり境内を歩いてみてください。大小さまざまな木々が色づき、長谷の秋を全身で感じられます。
2025年11月9日時点の色づきは、「木によってバラつきあり。モミジやイチョウはまだこれから」 という状況。昨年(2024年)の見ごろは 11月末 でしたが、今年は気温が低めに推移しているため、11月半ばから一気に見ごろが進む可能性もあるそうです。

秋だけの“限定御朱印”にも注目
高徳院では10月から 秋の限定特別御朱印 を頒布中。往時の金色の大仏さまに紅葉が添えられた、今年のために用意された見開き仕様で、ぱっと目を引く華やかさがあります。数量限定 のため、11月9日時点ではまだ残っているとのことでしたが、確実にほしい人は事前に問い合わせてから訪れるのがおすすめです。

スポット名高徳院(大異山高徳院清浄泉寺)
住所神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
アクセス江ノ電「長谷駅」より徒歩約7分
電話番号0467-22-0703
拝観時間4月~9月:8:00~17:30
10月~3日:8:00~17:00※閉門15分前までに入場
拝観料一般 300円/小学生 150円
URLhttps://www.kotoku-in.jp/

長谷エリアにいくならこちらもおすすめ

北鎌倉エリアは11月末~12月初旬がおすすめ

次に紹介したいのが、静かな山あいにお寺が点在する 北鎌倉エリア。一年を通して訪れたい場所ですが、紅葉をしっかり楽しみたいなら、12月に入ってから が狙い目です。鎌倉の中でも比較的ゆっくり色づくため、長谷のピークより少しあとに訪れるのがおすすめです。

 円覚寺

鎌倉五山の一つ、円覚寺では、2025年11月9日時点で 「色づきはじめたが、ピークはまだ先」 とのこと。例年どおりであれば、12月上旬 にもっとも鮮やかになる見込みです。広い境内を歩きながら、少しずつ深まっていく秋を感じられるはず。

建長寺

日本最初の禅寺として知られる建長寺も、紅葉のペースはゆったりめ。例年のピークは 11月末〜12月初め で、円覚寺と同じく“冬の入口の紅葉”を楽しむタイプのお寺です。広い参道と高い木々が多く、散策そのものが心地いいエリアです。

 明月院

「あじさい寺」として有名な明月院は、紅葉の時期も圧巻。特に注目したいのは、秋の紅葉シーズンとハナショウブの時期だけ特別公開される 「本堂後庭園」。丸窓の向こうに広がる紅葉は、まるで絵画のような世界です。北鎌倉で静かに秋を味わいたい人にぴったりのスポットです。

編集部のイチオシは、紅葉シーズンこそ訪れたい「奥鎌倉」

最後にぜひ紹介したいのが、紅葉好きにそっとおすすめしたい 「奥鎌倉」エリア。
鶴岡八幡宮のさらに北側、住所でいうと 二階堂・浄明寺 にあたる地域で、観光客の多い場所から一歩離れた静けさが魅力です。この一帯は、鎌倉の中でも紅葉が遅めに進む場所。そのため、12月に入ってからでもしっかり紅葉を楽しめる のが特徴です。寺社の多い北鎌倉と比べてより山あいの雰囲気が濃く、冷たい空気が少しずつ澄んでくる冬の光の中を歩くと、鎌倉の静けさがより深く感じられます。

アクセスは バス利用が便利。お寺によっては駐車場もあるので、混雑を避けながらドライブで訪れるのもおすすめです。観光中心地とはまた違う、ゆったりとした時間が流れています。

ここから、奥鎌倉のおすすめスポットを紹介していきます。

美しいライトアップが楽しめる覚園寺

最初に訪れてほしいのが、鎌倉でも特に静けさが深い 覚園寺。
1218年、北条義時が薬師如来を信仰して建てた「大倉薬師堂」がはじまりとされ、その後1296年には、元寇の再来がないことを祈って真言・天台・禅・浄土の 四宗を学ぶ道場 として整えられました。鎌倉の歴史が息づく寺院です。
覚園寺は、訪れる人に“信仰の空間”をそのまま感じてもらいたいという思いから、参拝受付所より先の撮影は禁止。この記事に掲載している写真は、すべて許可をいただいて撮影したものです。

編集長も何度も足を運んでいますが、真っ赤に染まるモミジ、黄金色のイチョウが敷き詰められた参道…歩くたびに「ここにも、あそこにも」と立ち止まりたくなる景色ばかりだったそう。写真だけではとても伝えきれないので、ぜひ現地で味わってほしい場所です。

🍁 紅葉の時期は拝観時間を延長

覚園寺は毎年、紅葉シーズンにあわせて参拝時間を延長してくれています。
2025年は
11月28日(金)〜12月10日(水)
の期間、通常16時の閉門が 19時までになります。最終受付は 18時40分です。
日が落ちていく時間帯に歩く覚園寺は昼間とはまったく違う静けさで、心がそっと整うようなひとときが流れます。

スポット名覚園寺
住所神奈川県鎌倉市二階堂421
アクセス鎌倉駅より京急バス『大塔宮バス停』まで約10分バス停から徒歩約10分
電話番号0467-22-1195
拝観時間10:00~16:00(最終入園15:40)
※11月28日から12月10日は9:00〜19:00(18:40最終受付)
拝観料大人 500円、小・中学生 200円
URLhttps://kamakura894do.com/

どこか京都を思わせる、雅な山荘―― 一条恵観山荘

2017年に一般公開が始まった 国重要文化財・一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)。
後陽成天皇の第九皇子であり、のちに摂政・関白を二度務めた 一条恵観(兼遐・昭良) が営んだ山荘です。
もともとは京都・西賀茂の里山に建てられた、一条家別邸の離れ。一見素朴な田舎家風の佇まいですが、実は恵観公自身による設計で、随所に“雅”と“野趣”が同居する、皇族のための 小さな茶屋 のような空間です。昭和34年に鎌倉へ移築され、現在は国の重要文化財となっています。

🍁 四季の美しさが際立つ山荘。紅葉情報も発信中

恵観山荘は、紅葉だけでなく 四季折々の変化そのものが見どころ。そのため、公式サイトでも紅葉状況をこまめに更新してくれています。
2025年11月9日時点では、「入口付近は色づきはじめ、内部はまだ緑が多い」 という状況。
敷地が広いため、場所によって色づきの進み方に差があるそうです。
おすすめのタイミングは、12月の第1週。ただし、特に週末は混雑が予想されるので、時間にゆとりをもって訪れるのがおすすめです。

スポット名一条恵観山荘
住所神奈川県鎌倉市浄明寺5-1-10
アクセス鎌倉駅より京急バス『浄明寺バス停』まで約10分
電話番号0467-53-7900
拝観時間10:00~16:00(最終入園15:30)
拝観料大人・子供 1000円(紅葉期11/20~12/20)※通常期は700円
URLhttps://ekan-sanso.jp/

“最後の紅葉”に会いに行くなら、瑞泉寺へ

長谷や北鎌倉のお寺が見ごろを終えはじめても、まだ“秋”が残っていることが多いのが 瑞泉寺。「ほかは終わってしまったけれど、ここだけはまだ色づいている」──そんな少し不思議で贅沢な時間が流れています。
瑞泉寺は、鎌倉五山に次ぐ 関東十刹 に数えられる格式ある寺院。鎌倉時代末期の1327年、名僧・夢窓国師(むそうこくし) によって創建されました。夢窓国師が建立した寺院や庵は、景勝地が多いことで知られており、瑞泉寺もまさにそのひとつ。自然豊かな「紅葉ヶ谷(もみじがやつ)」と呼ばれる谷あいに建てられています。

なぜ“紅葉が遅い”のか?
瑞泉寺は、鎌倉宮の奥に広がる 谷戸(やと)地形 に抱かれたお寺です。山あいに位置するため、日当たりや気温の変化がゆるやかで、ほかのエリアよりも 紅葉の進みがワンテンポ遅い と言われています。この独特の地形こそが、「関東で最も遅い紅葉」とも言われる理由のひとつ。
瑞泉寺の方のお話では、「12月後半になるほど、美しさが増す」 とのこと。紅葉を見そびれてしまった…という人に、最後に訪れてほしい場所です。

スポット名瑞泉寺
住所神奈川県鎌倉市二階堂710
アクセス鎌倉駅より京急バス『大塔宮バス停』まで約10分
バス停から徒歩約10分
電話番号0467-22-1191
参拝時間9:00~17:00
拝観料大人200円 小中学生100円
URLhttps://www.kamakura-zuisenji.or.jp/

記事を書いた人
『Buzz Trip Kamakura』は「鎌倉の楽しさや美しさを、日本はもちろん、世界の人々に広めたい」をコンセプトとした鎌倉の情報サイトです。鎌倉のWebコンサルティング会社 株式会社BEEPが運営しています。 国内外からの観光客の方々はもちろんのこと、鎌倉を訪れる全ての人たちに、鎌倉で過ごす時間や体験をより一層素晴らしいものにしていただくお手伝いを目的とし、鎌倉のファンになっていただければと考えています。 株式会社BEEPについては、こちら

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