光則寺は紫陽花の穴場スポット!見どころや拝観料を紹介

2023.05.15

数百種類の紫陽花と鎌倉の歴史が詰まった「光則寺」

光則寺は、鎌倉の観光スポットの中でも数百種類の紫陽花を堪能できるお寺です。観光スポットとしても穴場であることから、ゆったりと紫陽花を楽しむことができるのが魅力。一年を通して草木を楽しめるうえに、自然豊かな山奥に佇んでいることもあって、一歩足を踏み入れると日常とは別世界の空間に入りこんだ感覚を味わえます。ぜひこの記事で光則寺の紫陽花の様子・見どころを押さえ、鎌倉旅行の思い出作りに役立ててください。

数百種類の紫陽花が咲く「光則寺」

光則寺には、全国各地から集められた数百種類もの紫陽花が咲いており、早いものは5月の下旬頃から見頃を迎えます。お寺の中は庭のようになっており、いくつもの道がいたるところに伸びています。通る道によって鑑賞できる紫陽花の種類が異なるも光則寺ならでは。観光客が少ないため、ゆっくりと歩いて紫陽花を堪能してみてください。

土牢に続く階段の紫陽花は圧巻!

後ほど詳しく説明しますが、光則寺の奥には土牢があり、土牢に続く階段の脇にも紫陽花が咲いています。光則寺で紫陽花のベストスポットはこの階段。数種類の紫陽花とともに、木に囲まれた静かな雰囲気も一緒に感じることができ、身も心も癒されるひとときを過ごせます。

紫陽花以外の花も楽しめる

光則寺は紫陽花以外の草花を楽しめるのも魅力です。お寺の静けさと、花の華やかさを同時に感じることができるのは、光則寺ならではと言えるでしょう。

春の桜のシーズンを過ぎると、白藤やノダフジ、つつじやコデマリなど色とりどりの花をゆったりと鑑賞できて、この時期もおすすめのお寺です。

境内には、なんとクジャクの姿も見られます。

光則寺の歴史・見どころを紹介

光則寺は、文永11年(1274) 頃に5代執権北条時頼の家臣・宿屋光則の屋敷を寺に改めたのが始まりだとされています。そんな光則寺の見どころを、歴史的背景とともに紹介します。

光則寺の見どころ①裏山の土牢

光則寺には、裏山に土牢があります。これは文永8年(1271年)に布教活動をしていた際に捕らえられた、日蓮聖人の弟子である日朗を幽閉していたものとされています。目の前に立つとその大きさに圧倒されるほどの土牢。周囲の自然とも相まって、日常とはかけ離れた空間がそこにはあります。光則寺に訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

光則寺の見どころ②「立正安国論御勧由来」を彫った石碑

立正安国論とは、日蓮が文応元年(1260年)当時の鎌倉幕府に提出したものです。当時の鎌倉は、大地震・疫病・飢饉など、災害に見舞われていました。立正安国論には、そのような時代にあるべき政策が書き記されていたとされています。具体的には、「仏教をないがしろにしたことが、人間のエゴを生み出し鎌倉の災難を生んだ。今こそ、仏教を見直すべきだ」という内容でした。また、仏教をないがしろにした暁には「他国からの侵略」「国内紛争」が起きると記されていたともされています。しかし、鎌倉幕府は立正安国論を無視。加えて、日蓮は強い反発に会うことになってしまいます。一方、日蓮が予言した「他国からの侵略」「国内紛争」これらの災難は、「元寇」「北条氏一門の内紛二月騒動」によって的中。次第に日蓮を支持する人々が増えていくこととなります。

光則寺の見どころ③光則のお墓

土牢に向かう道中には、光則のお墓も見られます。

光則寺の見どころ④日蓮が幽閉されていた日朗に当てた手紙の石碑

日蓮は、光則寺に幽閉されていた弟子の日郎に手紙(土牢御書)を書いています。佐渡に島流しされることになった自身が、日朗の身を案じ書いたとされており、土牢を出たら佐渡に来るようにとも書かれています。この弟子を案ずる日蓮の姿に光則は感動し、やがて日蓮に帰依(仏の教えを信じ、従うこと)したとされています。

光則寺の見どころ⑤宮沢賢治の詩碑

光則寺の境内には詩人・宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩碑も見られます。宮沢賢治は、日蓮が大切にしていた「法華経」に影響を受けており、雨ニモマケズの内容は、法華経の祈りを書いたものと言われています。有名なフレーズに「みんなにデクノボーと呼ばれ 褒められもせず 苦にもされず そういう者に 私はなりたい」とありますが、これは法華経の常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)の精神を表しており、「自分の行動に感謝を求めず、人の役に立つ空気のような存在としていきたい。」という宮沢賢治の生き様が表現されています。

光則寺の見どころ⑥本堂

光則寺の本堂には「師孝第一」の文字が書かれています。これは光則寺の開山である日朗の呼ばれ名です。なお、日朗ゆかりのお寺は光則寺の他に妙本寺があり、妙本寺もまた紫陽花の穴場スポットです。

光則寺の見どころ⑦山門

朱色の山門は周囲の緑と調和しながらも、確かな存在感があります。また、安土桃山時代と推定される蟇股の彫刻も見どころです。なお、山門横には光則屋敷跡の石碑も立っています。

光則寺の拝観料は100円

なお、光則寺を拝観するには、高校生以上の場合100円を支払います。参拝する際はお賽銭箱に100円を入れ忘れないように注意しましょう。なお、光則寺の参拝時間は8時〜17時です。

光則寺へのアクセス

光則寺は長谷駅から徒歩約5分。「鎌倉いとこ」横道をまっすぐ進めば光則寺にたどり着きます。

「光則寺」は紫陽花が咲き誇り、歴史が詰まったお寺

光則寺は、長谷寺のすぐ横にありながらも、あまり知られていない隠れた名所です。道中は閑静な住宅街。山の方へ歩を進めると、光則寺が現れます。光則寺の境内では、山に囲まれた静かな雰囲気を感じられ、土牢を目の前にすると鎌倉が武家の古都であったことをまざまざと感じさせます。鎌倉の紫陽花の穴場スポットを巡りたい方はもちろん、ゆったりと鎌倉の空気・歴史を感じたい方も、ぜひ光則寺に足を運んでみてください。

寺院名光則寺
住所〒248-0016
神奈川県鎌倉市長谷3丁目9-7
電話番号0467-22-2077
拝観時間8:00~17:00
拝観料大人(高校生以上):100円
小・中学生:無料
URLhttps://www.trip-kamakura.com/place/150.html
記事を書いた人
鎌倉の海・山・街・人が大好きな、鎌倉市在住のフリーライターです。365日中360日以上鎌倉で過ごしています。鎌倉の街をぶらぶら歩きながら、穴場スポットや隠れた名店を探すのが日頃の楽しみです。このサイトで紹介する記事には、実際に鎌倉に住んでいる僕ならではの視点と感覚を盛り込んでいます。鎌倉で過ごす時間をより楽しい時間にしたい方は、ぜひ僕の記事だけでなく、このサイトの記事を読んでみてください。個人でもツイッター・ブログを開設しているので、鎌倉について知りたいことがあれば、ご訪問ください!