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【地元農家さんにインタビュー】種類豊富な“鎌倉野菜”の魅力的な特徴とは?

2023.10.06

ご当地野菜として注目されている【鎌倉野菜】。海はもちろん、緑に囲まれた自然豊かな鎌倉で育てられた瑞々しい鎌倉野菜は、地元だけでなく、都内の有名レストランからも買い付けに来るほど魅力に溢れているといいます。
そこで今回は、鎌倉野菜の魅力的な特徴について、鎌倉市農協連即売所に出店されている農家の【内海 輝久さん】にお話を伺いました!

▼この記事の取材ご協力者

内海 輝久(うつみ てるひさ)さん
ご家族と共に鎌倉市農協連即売所(通称:レンバイ)で野菜を直売していらっしゃる地元農家さん。

鎌倉野菜とは

鎌倉野菜とは、「鎌倉ブランド」に登録した鎌倉市と、旧鎌倉群であった横浜市の一部地域の農家によって育てられた野菜のことをいいます。
山と海に囲まれた自然豊かな地で育てられた鎌倉野菜は、鎌倉市内はもちろん、日本各地で取り扱うレストランや販売店があるほどの人気を誇っています。

黄色の鎌倉ブランドマークが目印!

【地元農家が語る!】鎌倉野菜の魅力的な特徴

今回インタビューにご協力いただいた内海 輝久(うつみ てるひさ)さんいわく、鎌倉野菜の大きな魅力として、「種類の豊富さ」があるといいます。

七色畑がきらめく鎌倉野菜の畑

大きな葉が生い茂る内海さんの畑(画像提供:内海 輝久さん)

その種類の豊富さを物語る証として、内海さんの畑でも年間で約150種類も育てられているのだとか!同じ種類であっても、種をまく時期をずらしながら、一年で何毛作もする農家もいらっしゃるようです。
こうした努力もあって、「ネギ」や「からし菜」、「ルッコラ」といった人気野菜は、年間を通した多くの期間で目にすることができるのだといいます。

そして、その栽培方法も農家によって様々。
例えば内海さんの畑の場合、ズッキーニは露地栽培で、キュウリやトマトはハウス栽培で…といったように、野菜の種類ごとに最適な育て方で食卓に届けていると、内海さんは笑顔でお話してくださいました。

また、このように1つの畑で何種類もの野菜が育つ鎌倉の畑の様子は、「七色畑」と呼ばれています。七色という言葉からも、その種類の豊富さが伺えますよね。
鎌倉を散策する際には、太陽にきらめく七色畑の姿にもぜひ注目してみてください。

「即売所でなければ売れない野菜」に注目!

バターナッツ

豊富な種類を誇る鎌倉野菜のなかには、スーパーや小売店では見かけない珍しい野菜も多いといいます。今回取材をさせていただいた鎌倉市農協連即売所(通称:レンバイ)では、「バターナッツ」や「コリンキー(生で食べれるかぼちゃ)」、「ローザビアンカ(ナス)」のような珍しい野菜も多く並んでいました。
またレンバイには、トマト1つをとっても、黄色やオレンジ、黒など、スーパーには並びにくい色とりどりの野菜が並んでいます。

ローザ―ビアンカ

実際にスーパーで勤務されたことがある内海さんも、「スーパーで出回っても、調理方法がわからなくて売れない野菜も、鎌倉野菜には多いと思います。」とおっしゃっていました。
だからこそ、その豊富な種類を求めて、ヨーロッパで修行をしたレストランのシェフもレンバイに買い付けへ来るようです。
あなたが、レストランで見る色とりどりの野菜のなかにも、鎌倉野菜が使われているかもしれませんね。

【地元農家さんおすすめ】鎌倉野菜が購入できるスポット2選

鎌倉野菜は、一部スーパーに並んでいることもありますが、その豊富な種類を求めるならば、農家から直接買える「直売所」がおすすめ!
内海さんが厳選した、鎌倉野菜の購入スポットを3つご紹介します。

鎌倉市農協連即売所

鎌倉市農協連即売所

JR鎌倉駅東口から徒歩3分とアクセスしやすい立地にある[鎌倉市農協連即売所]は、「レンバイ」という愛称で1928年から親しまれている歴史深い直売所です。
地元はもちろん、観光客や都内から訪れるレストランのシェフまで、幅広い人々が訪れています。

基本的には年中無休で営業され、地元農家が計4班に分かれて日替わりで野菜の直売を行っている場所です。今回インタビューにご協力いただいた内海さんは、2班で販売をされています。
各農家の売り場には、お名前が書かれた札があるので、ぜひお気に入りの農家さんを探してみてはいかがでしょうか?

取材にご協力いただいた内海 輝久さんとお父さま

また内海さんは、レンバイで鎌倉野菜を購入するメリットとして、「農家の顔が見える安心感」をあげていらっしゃいました。
実際に内海さんがお客様と直接コミュニケーションをするなかで、お客様から「スイカの中身が赤くなかった」「そろそろナスが硬くなってきた」というご意見を美味しい野菜作りのヒントにされていることもあるといいます。こうして、美味しい鎌倉野菜の品質が保たれていく訳ですね。

【農家さんが語る】知っておきたい鎌倉市農協連即売所(レンバイ)情報

鎌倉市農協連即売所

公式では年中無休となっているレンバイですが、訪れる時間が悩ましいところ。そこで農家の内海さんに、おすすめの時間帯を伺ってみました!

  • 月~木曜日 午前10時くらいまで
  • 土~日曜日 午前9時くらいまで

内海さんのお店の場合、昼前にはほとんどの商品がなくなっているのだとか!豊富な商品の中から選びたい場合、8時~9時頃までに訪れることをおすすめされていました。

さらにレンバイでは、カット野菜を販売してくれたり、購入した野菜をカットしてくれる店舗もあるのだとか。
例えば立派な野菜の葉がついた野菜を持ち帰るのが大変な場合には、葉を切り落としてもらうといったサービスも。遠くから訪れる方にとっても嬉しいですよね。
※店舗によって、販売形態が異なります。

スポット名神奈川県鎌倉市農協連即売所
アクセスJR鎌倉駅東口より徒歩約3分
住所神奈川県鎌倉市小町1-13-10
営業時間8時~日没
定休日年始以外無休
公式サイトhttp://kamakurarenbai.com/index.html

逗子生産直売所

JR逗子駅、京急新逗子駅から徒歩2分の場所にある[逗子生産直売所]は、鎌倉市農協連即売所に続いて、逗子でも近隣農家が集まって始まった直売所です。
こちらも1950年から続く歴史ある直売所として、愛されています。
鎌倉野菜はもちろん、葉山や横浜の農家の野菜も販売されているので、鎌倉市農協連即売所とは違った野菜と巡り合えるかもしれませんね。

スポット名逗子生産直売所
アクセスJR逗子駅・京急新逗子駅より徒歩2分
住所神奈川県逗子市逗子5-2-50
営業時間8時~日没
定休日年始以外無休

【地元農家さんおすすめ】鎌倉野菜が食べられるレストラン

「鎌倉野菜は食べてみたいけど、自分で料理するのは不安」そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで注目したいのが、レストランやカフェの存在。鎌倉には、鎌倉野菜を使ったお料理がいただけるレストランやカフェが多く存在します。
そのなかでも、農家の内海さんがイチオシする鎌倉市内のレストランをご紹介します。

サラマンジェ ド ヨシノ

一軒家レストラン[サラマンジェ ド ヨシノ]

鎌倉駅西口から続く、御成通りから一本脇道に入ると、おしゃれな佇まいの一軒家レストラン[サラマンジェ ド ヨシノ]があります。
本格的なフランス料理がいただけるこちらのお店では、地元素材にこだわっているため、四季折々の美味しい鎌倉野菜がいただけることでしょう。

鮮魚と小蕪のマリネ(画像提供:サラマンジェ ド ヨシノ)

スポット名サラマンジェ ド ヨシノ
アクセスJR・江ノ島電鉄 鎌倉駅西口より徒歩5分
住所神奈川県鎌倉市御成町20-45
電話番号0467-81-4019
営業時間ランチ12:00~13:00(L.O.)/ディナー18:00~20:00(L.O.)
定休日 火曜日・水曜日
公式サイトhttps://samdyoshino.wixsite.com/home

鎌倉野菜の未来に向けたチャレンジ

色とりどりの鎌倉野菜には、農家さんの深い愛情と強い想いが込められています。そこで最後に、鎌倉野菜農家の内海さんから「鎌倉野菜の未来」について、ご意見をいただきました。

「現状では、鎌倉野菜を求めているお客様全員の元に野菜を届けることは出来ていないと感じています。だからこそこれからも、野菜の量を増やしつつ、新品種にもチャレンジして、お客様が欲しいと思える野菜を作っていきたいですね。

鎌倉野菜は後継者が少ないことも課題なので、私たちがもっと頑張っていきたいです。」

そう語る内海さんの瞳は、強い意志に満ちていました。
鎌倉というと、神社仏閣や季節の花々をイメージする人も多いかもしれません。しかし今回の取材で、鎌倉が誇れる魅力は、それだけではないと実感しました。
鎌倉野菜という魅力ある食材を味わう…、そんな鎌倉の楽しみ方をしてみませんか?

※取材日:2023年7月27日
※店頭に並んでいる野菜は、季節によって異なります。

記事を書いた人
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