山に囲まれて自然を感じることのできる覚園寺(かくおんじ)。まるで別世界に来たかのような荘厳な雰囲気が漂う覚園寺では、紅葉の季節は特に多くの人々を魅了する美しい空間が広がります。
「信仰の空間」を肌で感じていただきたいという想いから、普段は参拝受付所から先は撮影が禁止になっていますが、今回許可をいただいて撮影させていただきました。覚園寺の紅葉の魅力を写真を添えてお伝えします。
覚園寺の紅葉の見頃と特徴
- 色づきはじめ:例年11月中旬
- 見頃:11月下旬〜12月中旬(気象の条件によって前後する)
覚園寺では、もみじやいちょうの紅葉を境内の随所で楽しむことができます。山門を通ると真っ赤なもみじが出迎えてくれるのが印象的。黄色く染まった、いちょうの絨毯が一面に広がる様子も趣があり必見です。境内では、どの場所の紅葉を切り取っても絵になる美しさで人々を惹きつけます。
紅葉特別拝観期間について
覚園寺では、紅葉が見頃の時期に特別拝観期間を設けています。
- 通常の拝観時間:10時〜16時
- 特別拝観期間の時間:9時〜19時(2023年11月20日~12月10日)
※特別拝観期間については、公式HPでご確認ください。
紅葉の時期の特別拝観期間には、夕方からライトアップも実施されるので見逃せません。ライトの明かりが紅葉を照らし、幻想的でありながら優しい雰囲気に包まれます。
祈りをささげる空間について
北条義時公の薬師如来の信仰によって建てられた、大倉薬師堂。覚園寺は、大倉薬師堂を前身として1218年に始まりました。静かな境内は、自然を感じられる場所となっており、祈りをささげる空間として環境が整っています。
参拝受付所より先は撮影が禁止になっていますが、それも信仰の空間として肌で感じてほしいという理由から。今回写真を許可を得て撮影させていただいていますが、ぜひ実際に覚園寺を訪れて、その静寂の心地よさを感じていただきたいです。
覚園寺の紅葉の見どころ
紅葉の時期の覚園寺は、人々を惹きつける魅力で溢れています。見どころについて、拝観受付から順に紹介します。
真っ赤なもみじに心奪われる『拝観受付付近』
見事に真っ赤なもみじが出迎えてくれるこの場所では、まるでその先に広がる異世界へ誘われているような感覚に陥ります。
自然豊かな様子が、この場所からでもわかるでしょう。受付で境内の案内図が渡され、参拝順路も示されているので、その通りに進んでいきます。
赤いお堂ともみじに和を感じる『地蔵堂付近』
順路の通りに進み階段を登っていくと、左手に地蔵堂。その横にある千躰堂との間にはもみじが美しく彩っています。もみじ以外の木々も茂っているので、静寂の中で、歴史的な建物と自然が存分に感じられます。
地蔵堂は赤いお堂が印象的で、重要文化財である黒地蔵が祀られています。地蔵堂と六地蔵尊と共に見る紅葉は、趣があり和を感じられるでしょう。
黄色い絨毯ともみじのコントラストが美しい『地蔵堂の裏』
真っ赤なもみじを横目に地蔵堂の裏へ回っていきます。すると、鮮やかな黄色のいちょうの絨毯が見えてきて、秋を象徴するような光景が広がっています。
見事ないちょうの絨毯が広がる先には、茅葺き屋根の本堂が。本堂の風情のある様子と、黄色い絨毯の相性は抜群で、落ち着きのある空気が流れます。
もみじの赤やオレンジ、緑のグラデーションも美しく、真っ赤な紅葉の景色とは異なる魅力を感じられるでしょう。
落ち着いた趣ある雰囲気『旧内海家』
順路を進むと、旧内海家が現れます。旧内海家とは、1706年に建てられた農家のこと。1981年に移築されて以来、覚園寺の境内で保存されています。中に入ることができるので、中から見る美しい紅葉風景も楽しんでみてください。茅葺き屋根と、赤やオレンジに染まったもみじが、風情のある雰囲気を醸し出し魅力的です。
この角度から見る旧内海家は、真っ赤なもみじに美しい茅葺き屋根が映えています。それはまるで、タイムスリップしたかのような感覚に陥る光景。
この光景を見るだけで心が落ち着いてくるので、抜群の癒し効果がありそうですね。日常の忙しさを忘れて、ゆったりと過ごすことができるでしょう。
まさに異世界のような空間『本堂裏のスペース』
本堂 薬師堂の裏へ回ると、まるで異世界にいるような空間が目の前に広がります。この世に自分しか存在しないかのような静けさが漂うこの場所は、まさに祈りをささげる場所という印象を受けます。
本堂の茅葺き屋根と木々が紅葉している様子は、絵画のように美しいですよね。
静まり返った本堂裏の空間では、鳥や虫、風で木々の葉が擦れる音が聞こえてきて、心が満たされます。色鮮やかに紅葉している葉の隙間からの木漏れ日が、ほっこりと温かい気持ちにしてくれるでしょう。
紅葉と茅葺き屋根の相性の良さが目を引く『本堂正面』
しっかりと佇む様子が印象的な本堂 薬師堂。その周りを木々が囲んでいて、自然の美しさが引き立つ光景です。
時間によって、本堂を照らす光の入り方が異なり見え方が変わるため、何時間でも、何回でも境内を回ってみたくなります。
本堂 薬師堂と赤く染まるもみじの景色は、これぞ鎌倉の紅葉風景といった様子です。趣のある空気にいつまでも包まれていたいと感じることでしょう。
撮影可能なエリアにもある人気の紅葉風景
撮影可能な山門を入ってすぐの場所も、美しい紅葉が見られるので必見です。写真の水に映る紅葉は人気があるようなので、ぜひ覗いてみてください。
山門の正面にある愛染堂にかかるもみじもまた美しく、日本の良さを感じるような光景です。山門に入ってすぐこの華やかな様子が見られるのは、紅葉シーズンならではの特別感があります。
紅葉シーズン必見!心奪われるライトアップ
夜にお寺を訪れる機会はあまりないと思いますが、覚園寺では、紅葉シーズンは特別にライトアップされ、昼間とは全く異なる雰囲気になります。
ライトアップの時間はあまり混み合うこともなく、タイミングによっては、その幻想的な空間を独り占めできる機会も。美しい光景にしっかりと浸れる、贅沢な時間を過ごすことができます。
華やかなライトアップイベントというよりは、しっとりと落ち着いた雰囲気を楽しむ人が多い様子。30代後半〜50代くらいのご夫婦やカップル達が、大人な空間で夜の散歩を楽しんでいました。
本堂裏のスペースは優しい雰囲気に包まれる
特に見どころと言えるのが、本堂裏のスペース。紅葉している木々にライトが吊るされ、オレンジ色の優しい光に包まれています。明かりがぽんぽんとついていて、ほっこりとした気持ちになるでしょう。
また、一面に広がる木の葉の絨毯を照らす様子も目を引きます。いつまでもその場に佇んでいたくなるような空間に、心が癒されること間違いなし。
覚園寺で紅葉シーズンだけの特別な空間に浸る
覚園寺の紅葉シーズンは、趣ある自然豊かな境内を2度楽しむことができます。昼間の木漏れ日が差し込む境内で、色鮮やかな紅葉を楽しむのもよし、夜の幻想的な紅葉のライトアップを楽しむのもよし。同じ境内とは言え雰囲気が異なるので、ぜひ昼夜共に訪れて堪能するのがおすすめです。
秋の覚園寺で、贅沢に紅葉シーズンならではの風景に浸ってみてはいかがでしょうか?
寺院名 | 覚園寺(かくおんじ) |
住所 | 神奈川県鎌倉市二階堂421 |
電話番号 | 0467-22-1195 |
拝観時間 | 10:00~16:00(最終拝観受付15:40)※紅葉時は時間延長 |
拝観料 | 大人:500円 小中学生:200円 |
公式URL | https://kamakura894do.com/ |