【浄妙寺】様々な雰囲気を楽しむ格式高い寺院

2025.01.08

境内が国の指定史跡となっている浄妙寺。
本堂の大きな銅葺き屋根は堂々とした印象で、存在感があります。抹茶と枯山水庭園が楽しめる喜泉庵や、イングリッシュガーデンを眺めながら食事を楽しめるレストランがあるなど、様々な角度から楽しめるお寺。
浄妙寺の歴史や見どころ、季節ごとの楽しみ方についてお伝えします。

浄妙寺の歴史

【浄妙寺】山門

鎌倉五山第五位の格式高い臨済宗建長寺派の古刹である浄妙寺。
創建は1188(文治4)年で、源頼朝の忠臣であった足利義兼によるものと伝えられています。開山は退耕業勇(たいこうぎょうゆう)律師で、最初は極楽寺という密教系のお寺でした。後に、建長寺の開山である蘭渓道隆の弟子・月峯了然(げっぽうりょうねん)が住職となったときに、臨済宗の禅寺に改められ、浄妙寺という名になりました。
中興開基(衰退したのちに復興させること)は足利尊氏の父である貞氏で、没後は浄妙寺に葬られました。室町時代の浄妙寺は、鎌倉公方の菩提寺として栄えたと言われています。

見どころを紹介

浄妙寺の見どころを紹介します。立派な本堂の他、庭園など、他のお寺とは少し異なる見どころがあるので注目してみてください。

本堂

【浄妙寺】本堂

浄妙寺周辺の自然豊かな景色の中にも映える、銅葺き屋根が印象的な本堂。山門をくぐってまっすぐ進むと、どっしりと構え風格を感じさせる本堂が出迎えてくれます。

【浄妙寺】紅葉シーズンの本堂周辺

秋の紅葉シーズンには、もみじといちょうが本堂近くに色づき、美しい景色を見ることができるのも魅力の一つ。紅葉シーズン以外にも、本堂周辺では季節を感じる風景が見られます。

やぐら

境内を奥まで進み、石窯ガーデンテラスというレストランの先に行くとやぐら群があります。浄妙寺の境内ですが、以前は延福寺があったとされる場所。足利直義(尊氏の弟)の墓とされていて、さらには多数の五輪塔が納められており、足利氏に関連があるものと言われています。

喜泉庵

【浄妙寺】喜泉庵

平成3年に復元されたという茶室・喜泉庵は、天正年間(1500年代)には鎌倉五山の僧が一同に茶会をしたと言われる場所です。
本堂の左手にある喜泉庵では、枯山水の庭園を眺めながらお茶と和菓子がいただけて、ゆったりとした時間の流れを感じることができます。緑に囲まれた茶室で、自分と向き合うひとときを過ごしてみませんか?

山あじさいの小径

【浄妙寺】山あじさい

浄妙寺の裏山には散策路があります。山あじさいの小径と言われるこの散策路では、シャガの群生が咲き終えた頃に、山あじさいや額あじさいなどが咲きほこります。たくさんの種類のあじさいが彩り豊かに咲く様子は必見です。
さらに散策路を進むと、源頼朝が涼を感じるために白い衣で覆わせたと言われている衣張山が一望できます。

石窯ガーデンテラス

【浄妙寺】石窯ガーデンテラス

浄妙寺は趣のある景色を楽しめるだけでなく、境内を抜けて坂道を上がった先で、イングリッシュガーデンとレストランでの食事を楽しむことができます。素敵な洋館では、四季折々の景色を眺めながら、少し贅沢なランチやアフタヌーンティーをいただけます。ゆったりとした優雅な時間を過ごしてみては?

店名石窯ガーデンテラス
住所神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-50(浄妙寺境内)
電話番号0467-22-8851
営業時間10:00~17:00(お食事、お飲み物とも LO 16:00)
定休日月曜日(祝祭日の場合は翌日に振替)
年末年始休業あり

四季の楽しみ方をご紹介

浄妙寺の境内では、様々な花が咲き、四季折々の風景を見せてくれます。
イングリッシュガーデンもある境内では、他の寺院にはない季節の楽しみ方も。どの季節にも旬の美しさを楽しんでもらいたい、というコンセプトを元に管理されているそうです。
趣ある風景も、洋風な雰囲気の景色も欲張りに楽しめる浄妙寺の四季の魅力を紹介します。

【春】イングリッシュガーデンでいち早く春を感じる

【浄妙寺】石窯ガーデンテラス前

浄妙寺の境内にある石窯ガーデンテラスというレストラン。そのお庭はイングリッシュガーデンとして、一年を通して美しく整えられています。
特に春はいち早く感じさせてくれるような、彩り豊かな花々が咲きます。3月上旬頃から春の花が咲きはじめ、レストランの入り口付近には桜の花が。チューリップも咲き、少し寂しげだった境内は華やぎ始めます。

イングリッシュガーデン以外の場所も春の風景で楽しませてくれます。本堂近くに咲くボタン、桜、ツツジや白藤も境内に咲き誇ります。過ごしやすい気候に誘われて、ゆったりと散策したい季節です。

【夏】山あじさいにアナベル…表情豊かなあじさい風景

【浄妙寺】あじさい

初夏の浄妙寺の境内には、様々な種類のあじさいが咲きます。前述した山あじさいの小径では、色彩豊かで、形も様々なあじさいを楽しむことができます。

【浄妙寺】白いあじさい・アナベル

そして、石窯ガーデンテラス近くでは白いあじさい、アナベルが咲き乱れます。その光景はとても豪華。洋風のレストランの建物に、優美なアナベルがとてもしっくりきます。
鎌倉にはあじさいの名所が多くありますが、浄妙寺ほど多くのアナベルが咲く場所は他にはなかなか見られません。

また、夏は新緑も美しい季節。境内は自然が多いので、青々とした木々が心地よいですよ。

【秋】もみじといちょうが映える本堂近くの紅葉風景

【浄妙寺】紅葉

11月下旬頃からは、もみじといちょうの紅葉風景が楽しめます。
本堂前にあるいちょうの木は大きく立派で、さらにその周辺にあるもみじも真っ赤に染まるので、赤と黄色、そして本堂の屋根の色の相性がよく見入ってしまいます。
紅葉シーズンが終わりに近づくと、黄色や赤の絨毯が風情を感じさせてくれます。

【浄妙寺】紅葉

さらに、初夏には山あじさい散策路となる裏山散策路から、秋には開放的な紅葉風景が見られますので、ぜひ境内を歩き回ってみてください。

【冬】梅の花の可愛らしさに癒される

【浄妙寺】梅

浄妙寺の境内には、澄んだ空気が気持ちの良い寒空の下でも色とりどりの花が咲きます。
黄色のロウバイ、紅白の梅の花、そして河津桜…。紅葉の季節が終わると寂しげになりがちですが、浄妙寺はほっこりとできるような景色が出迎えてくれます。

【浄妙寺】ロウバイ

特に梅の花に関しては、名所と言われることがあるほどに美しい景色を見せてくれます。本堂前に紅白の梅は必見ですよ。

歴史ある寺院で満喫する趣と洋の雰囲気

格式高い寺院であり、風情を感じる景色も見せてくれる浄妙寺。四季折々の風景は多くの人を魅了しています。
他の寺院と少し異なるのが、イングリッシュガーデンを有するレストランがあるところ。境内に洋風な空間が広がるので不思議な感じがしますが、優雅な時間が過ごせるスポットなのでぜひ訪れてみてください。
浄妙寺で、ゆったりと散策して、様々な魅力を感じてみてはいかがでしょうか?

寺院名浄妙寺
住所神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31
アクセス鎌倉駅より京急バス『浄明寺バス停』まで約10分
電話番号0467-22-2818
参拝時間9:00~16:30
拝観料大人(中学生以上):100円、小学生:50円障害者:無料(要障害者手帳)市内高齢者:無料(要福寿手帳)
URLhttps://www.trip-kamakura.com/place/japanheritage/183.html
記事を書いた人
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