自然

鎌倉のあじさい寺・長谷寺であじさいシーズンを堪能

2023.07.26

鎌倉には数多くの寺院がありますが、その中でも花の寺として知られるの長谷寺。特に6月になると、境内に咲く約2500株のあじさいが見事な景色を作り出します。
見どころ満載の長谷寺のあじさいシーズンについてご紹介。

長谷寺は季節ごとに楽しみのある鎌倉の古刹

長谷寺は、奈良時代に天武天皇の勅願で創建された古刹。
平安時代から江戸時代にかけて、鎌倉幕府や徳川将軍家から信仰と寄進を受けました。明治時代に火災で堂宇が焼失しましたが、再建されています。ご本尊は、国宝の日本最大級の木彫仏・十一面観音菩薩像。本堂は断崖絶壁に懸造りされた重要文化財で、鎌倉湾や江ノ島が見えます。

四季折々の花が楽しめる長谷寺は花の寺として知られていて、桜やあじさい、紅葉の美しさでも有名です。長谷寺は、江ノ電の長谷駅から徒歩5分ほどの場所にありますが、花が美しい季節は特に溢れかえるほどの人が訪れるスポット。電車も道路も混み合う場合が多いです。
ただ、季節ごとに人を魅了する景色を見せてくれるので、鎌倉観光の際には欠かせない観光スポットになっています。

長谷寺のあじさいは見どころ満載

画像提供:宮本英治

長谷寺には、約40品種2500株以上のあじさいが植えられています。その中には、長谷寺で名前を命名された新種のあじさいもあります。
例えば、長谷四片(はせよひら)は、花びらが四枚だけで構成された珍しい品種です。長谷の祈り(はせのいのり)は、白い花びらがピンク色に変化する美しい品種です。他にも長谷寺(はせでら)、長谷雨音(はせうおん)、長谷雨水(はせうすい)などがあります。

あじさいは、梅雨の時期に咲く花として知られていますが、実は品種によって咲く時期が異なります。一般的には、6月中旬から下旬が見頃とされていますが、長谷寺では5月下旬から7月上旬まで楽しむことができます。その理由は、品種の多さだけでなく、境内の標高差や日当たりなども影響しているからです。例えば、「あじさい路」は山上に位置するため、下の境内よりも開花が遅れます。
また、「経蔵周辺」は日陰になるため、開花が早めです。このように、同じ境内でも場所によって開花状況が異なるので、何度も訪れてみると新しい発見があります。

長谷寺のあじさいは、一年を通して花が咲くことで有名ですが、特に6月中旬から下旬にかけてが最も見頃を迎えます。この時期は、境内全体が色とりどりのあじさいで埋め尽くされる様子が圧巻です。
あじさいは雨に濡れるとより美しく見えると言われていますが、晴れた日も鎌倉湾や江ノ島などを望むことができる絶景スポットです。

画像提供:宮本英治

ただし、この時期は観光客も多く訪れるため、混雑や待ち時間を覚悟しなければなりません。特に「あじさい路」は密を回避するために入場制限や整理券を配布する場合があります。その場合は、1時間から2時間以上待つこともあります。
長谷寺のあじさいは、ただ咲いているだけではなく、様々な見どころがあります。ここでは、その中からいくつかを紹介します。

絶景! 多彩なあじさい路

長谷寺のあじさいのメインスポットは、「あじさい路」と呼ばれる眺望散策路です。
この道は、山上にある「観音山」から山下にある「経蔵」までを結ぶ約500mのルートで、約40種類・2000株ものあじさいが咲き乱れます。
道沿いには、白やピンク、紫や青など色とりどりのあじさいが並び、まるで絵画のような美しさ。
また、道の途中には、鎌倉湾や江ノ島を望む展望台や、古い石仏や石塔が点在し、歴史的な雰囲気も楽しめます。この道は、一方通行で下り坂になっているので、歩きやすくて安心です。

長谷寺ならではの固有品種

長谷寺には、他では見られない固有品種のあじさいがあります。その中でも特に有名なのが、「長谷寺」という品種です。このあじさいは、白からピンクに変化する花色と大きな花房が特徴的で、長谷寺の境内で名前を命名されました。
他にも、「長谷四片」や「長谷の祈り」など、長谷寺にちなんだ名前が付けられた品種が多数あります。これらの品種は、長谷寺の境内でしか見ることができない貴重なものです。

あじさいと良縁地蔵とのコラボに癒される

画像提供:PIXTA

長谷寺には、「良縁地蔵」という地蔵菩薩像があります。この地蔵菩薩は、「良縁成就」や「夫婦円満」のご利益があると言われています。
この地蔵菩薩は、「あじさい路」の途中にありますが、見落とさないように注意しましょう。地蔵菩薩の前には、「良縁結び」という紐が置かれています。この紐を手に取り、自分の願い事を心に思い浮かべてから、地蔵菩薩の首に巻きつけるという作法があります。この作法を行うと、願い事が叶うと言われています。

長谷寺でのあじさいの写真撮影スポット

長谷寺は鎌倉を代表するあじさいの名所です。境内には40種類以上、約2500株のあじさいが咲き誇り、色とりどりの花が眺望散策路を彩ります。ここでは、長谷寺であじさいの写真撮影を楽しむためのおすすめのスポットやコツをご紹介。
長谷寺には、あじさいとともに美しい景色や建物を撮影できるスポットがたくさんあります。

眺望散策路

長谷寺のあじさいの見どころといえば、やはり眺望散策路。
斜面に植えられたあじさいが一面に広がり、遠くには由比ヶ浜や江ノ島などの海岸線が見えます。360度に絶景が広がるこのスポットは、あじさいの時期になると大変混雑します。早朝や平日に訪れると比較的空いているかもしれません。

経蔵(輪蔵)

経蔵(輪蔵)は、長谷寺の境内にある円形の建物で、中には経典が収められています。
この建物の周りには竹林やあじさいが植えられており、風情ある写真が撮れます。経蔵の奥には鎌倉の街並みも見えます。

卍池を彩るあじさい

地蔵堂は、境内の中腹にある小さな堂で、中には地蔵菩薩像が安置されています。
この堂の前には卍池という池があり、その周りにはあじさいが咲いています。上から見ると卍型にあじさいが散りばめられている様子が見えます。

放生池と妙智池

画像提供:宮本英治

放生池と妙智池は、境内左手の庭園にある二つの池です。
鯉や亀が泳ぐ池には、風流なあじさいの花筏が浮かべられています。水面に映るあじさいや池周辺の鉢植えのあじさいも美しいです。

長谷寺のあじさいをきれいに撮影するには

長谷寺では、例年6月上旬から7月上旬頃まであじさいを楽しむことができます。しかし、あじさいは種類や品種によって満開になる時期が異なります。また、天候や気温などの環境要因も影響します。
そのため、長谷寺のあじさいは一斉に咲くというよりは、時期によって色や形が変化するという特徴があります 。長谷寺では、あじさいの見頃を「初夏のあじさい」「真夏のあじさい」「残夏のあじさい」と分けて案内しているので、参考にするといいでしょう。
初夏のあじさいは6月上旬から中旬頃で、色鮮やかな花が多く咲きます。真夏のあじさいは6月下旬から7月上旬頃で、深い色合いや大きな花が目立ちます。残夏のあじさいは7月中旬から下旬頃で、緑色や白色の花が多くなります。自分の好みに合わせて、訪れる時期を選ぶのがおすすめ。

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撮影に適した時間帯は、朝や夕方です。朝は光が柔らかく、露や雨粒がついたあじさいが美しく見えます。夕方は逆光や夕日があじさいに艶やかな表情を与えます。
昼間は光が強すぎて、あじさいの色が飛んだり、影ができたりすることがあります。もし昼間に撮影する場合は、曇り空や日陰を狙うと良いでしょう。

長谷寺周辺の観光スポット

長谷寺から歩いて約10分のところに御霊神社という神社があります。
御霊神社は、江ノ電があじさいすれすれに行き交うとてもユニークな神社です。境内にはあじさいや桜などが植えられており、季節ごとに美しい花を楽しむことができます。
あじさいの時期になると江ノ電待ちのカメラマンで境内がひときわ賑わいます。江ノ電とあじさいのコラボレーションは、とても鎌倉らしい光景です。

あじさいの名所・長谷寺で色とりどりのあじさいを満喫

長谷寺は、鎌倉を代表するあじさいの名所です。色とりどりのあじさいの花が眺望散策路を彩ります。あじさいは時期によって色や形が変化するので、長い期間楽しむことができるのも魅力的。
また、あじさいとともに美しい景色や建物を撮影できるスポットがたくさんあります。訪れる際には、時期や時間帯を選び、他の人や花に配慮しながら、自分らしい写真を撮ることを心がけましょう。長谷寺は、初夏から残夏まであじさいの美しさを堪能できる素晴らしい場所です。ぜひ一度訪れてみてください。

スポット名長谷寺
住所鎌倉市長谷3丁目11-2
電話番号0467-22-6300
拝観時間8:00〜17:00
URLhttps://www.hasedera.jp/
記事を書いた人
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