“絶景と踊ろう。” 生演奏の盆踊り祭で過ごす有意義な時間
2024年で3回目の開催となる“なみおと盆踊り祭”、通称“なみぼん”(以下、なみぼん)。『絶景と踊ろう。』というコンセプトを掲げ、2022年から開催されています。
昨年に引き続き、今年も主催者の小川コータ&とまそんのお二人含め実行委員の方たちにインタビューさせていただきました。毎年新しい試みをしながら開催しているというイベント。
2023年のレポートや2024年の開催情報もお伝えしていきます。
※記事内の写真は、2022年と2023年の開催時のものが混在しています。
▼この記事の取材ご協力者
なみおと盆踊り祭を主催しているメンバー。
【小川コータ&とまそん】という湘南密着のウクレレユニットを組んで活動されています。
昨年に続き、今回もインタビューに快くお答えくださり、なみぼんに込められた熱い想いや開催経緯、事前に行っている活動についてもお話ししてくださいました。
今回は、お2人の他に運営メンバーの河合さんにもインタビューにご参加いただいています。
絶景バックに行われるなみおと盆踊り祭とは
とまそんさん談
「今までも地元に根付いて活動してきていて、鎌倉で盆踊りをやるとしたら、夕焼けのきれいな稲村ケ崎公園でやりたいと思いました。」
なみぼんは、近隣住民の憩いの場である稲村ヶ崎公園で行われる盆踊り祭。かながわの景勝50選や関東の富士見百景にも選ばれる絶景の中で、生演奏で踊る盆踊り祭は年々認知され始め、鎌倉定番のお祭りになりつつあります。
盆踊りの他に、ライブやダンスショー、さらには縁日、キッチンカー、マルシェが出店し賑わいます。
とまそんさん談
「お祭りの企画を始めたのはコロナ禍。お祭りが中止や延期を余儀なくされる一方で、子供にとって、10歳の夏は一度しかない。子を持つ親の世代として、どうにかして開催できるお祭りを企画できないかとアイデアをひねり始めたのが最初。」
コロナ禍でも、一生に一度しかない2021年の夏の思い出として、子供たちが楽しめるイベントをしたいという親心から生まれたとのこと。
2021年に別の場所で開催されたお祭りを前身として、2022年からは稲村ケ崎公園で開催され、2024年に3回目の開催が決まりました。
地域のつながりを作るためのお祭りに
小川コータさん談
「企画チームはそれぞれの本来の仕事のかたわら、手弁当で企画をしていますが、地域のつながりや様々な出会いがあり、『今年も楽しみにしてるよ!』と言ってくれる人がいるので、続けていくことがお祭りの意義だなぁ、と感じています。」
コンセプトに共感し、参加者はもちろんのこと、お祭りを作り上げる側に立ちたいという人も年々増えているというなみぼん。
何度となく打ち合わせを重ねている企画チームはもちろんのこと、ステージに出演する皆さんもボランティアとして参加しています。お祭り自体の意義を理解した人が、作り上げているお祭りなのです。そしてコンセプトを広めていくには続けていくことも大切。お話を伺う中で、お互いが得意を活かして協力し合いながら開催されているお祭りだと感じました。
とまそんさん談
「地元の人たちが集まって楽しんでいるお祭りの”空気感”が大切だと思っていて、そこに偶然居合わせた外国の方や他の地域の方がその空気感を通して、鎌倉らしさに触れてもらえるといいなと思っています。」
まずは地元の人同士が協力し合える場としてお祭りがあり、その他多くの人に興味を持ってほしいという想いが感じられます。参加者が爆発的に増えてほしいというよりも、コンセプトを広めたいという想いが強いのです。
『絶景と踊ろう。』公園からの絶景だけじゃない、コンセプトの意味とは
小川コータさん談
「今ある絶景が当たり前にあるものだと思ってはいけないな、と感じています。
子供のころに見た美しい景色をずっと見ていられるように、この環境の有り難みを感じながらお祭りを続けていきたい、その気持ちを多くの人と共有していきたい、という想いが詰まっています。」
夕景が美しいとして知られる稲村ケ崎公園で開催されるなみぼん。
多くの人を魅了する景色の中で開催したいという想いと共に始まった盆踊り祭ですが、『絶景と踊ろう。』というコンセプトには、より深い意味が込められています。
藤原皓平さん談
「“絶景と踊ろう”というコンセプトにかけた想いとして、公園からの景色はもちろん、お祭りで楽しそうに過ごす親子の姿や、ゴミが一つも落ちていない海岸など、幸せな気持ちになる状況そのものも絶景の意味として含まれます。」
“絶景と踊ろう”というコピーの発案者である、実行委員メンバーの藤原さんはおっしゃっています。
目に見える景色を守るという考えに加えて、幸せな光景の中で盆踊りをしたいという考えは、多くの人の心をつかんでいくのではないでしょうか。
絶景を守るために環境に配慮するというのも、このお祭りの試みの一つ。景品が当たるというくじ付き「なみぼんうちわ」も素材にこだわり、竹で作られているとのことです。その他、出店ではプラスチック容器を使わないという決まりもあります。
2023年なみおと盆踊り祭の様子をご紹介
2023年のなみぼんが開催されたのは、気持ちよく晴れた10月21日。爽快な海の景色をバックに、生演奏の盆踊り以外にも様々な団体の方がステージを盛り上げました。
なみぼんでは、地元のお店も多く出店します。
2024年に出店したいと応募してきた方は、定員の3倍以上だったとか。年々お祭りの参加者だけではなく、出店希望も増えていると言います。
定員オーバーでお断りするのはとても心苦しいけれど、主催者の想いが多くの人に伝わっている証拠だと感じられて嬉しい、と運営の河合さんは話してくださいました。
夕暮れ時が近づくにつれて、昼間の爽快な雰囲気からロマンチックな雰囲気に。
近隣住民の方への配慮で、18:30にはステージイベントが終了するスケジュールで行われています。お祭りの最後まで、子どもたちがステージに立ったり、公園を走り回ったり、元気な姿を見せてくれるお祭りなのです。
日が沈んでからも、波の音と共に映えるお祭りは続き、締めくくりは鎌倉なみぼんバンドによる生演奏での盆踊り。会場全体が一体となった瞬間でした。
なみぼんを盛り上げていきたい方を募集中!
なみぼんは、多くの人の協力を得て開催されているお祭りです。
ここまで主催者の考えやコンセプトに込められた想いを知って、お祭りに訪れるだけでなく、自分もなみぼんにより深く関わりたいと思った人もいるのではないでしょうか?
いくつかの形で関わる方法がありますので、紹介していきます。
なみぼん応援隊
なみぼん応援隊は、お祭りの運営をサポートするチームのこと。コンセプトに共感し、その実現に向けて協力したいという人を募集しています。
実際には、当日の運営に関わるだけではなく、クリーン活動への参加や情報発信も行っていきます。鎌倉の環境保全も目的としているお祭りなので、鎌倉の自然を守りたい!と日頃から思っているというような人も参加してみてはいかがでしょうか?
興味のある人はこちらをチェック!
なみぼんパートナー
なみぼん運営にあたって、企業の方や店舗の方の協力も必要としています。3種類あるなみぼんパートナーについてお伝えします。
①企業パートナー
入場無料、市民参加型のお祭りのため、運営資金が必要です。お祭りを円滑に運営するためのお金を出してくださる協賛企業を募集しています。
②うちわくじ景品パートナー
なみぼんではおなじみとなった「うちわくじ」。このくじの景品を提供してくださるお店を募集しています。お店自慢の商品やサービスの割引券などの提供をして、なみぼんに参加してみませんか?
③ご近所パートナー
2024年から新たにできたパートナー制度です。稲村ケ崎公園のトイレには数に限りがあるため、快くトイレを貸してくださったり、小休憩をさせてくださる近隣のお店を募集しています。
人のつながりを大切にしているなみぼんに共感してくださる方に、ぜひ協力していただきたいパートナーです。
興味のある企業・お店の方はこちらをご覧ください。
なみおと盆踊り祭・2024年詳細
開催日程 | 2024年10月13日(日)11:00~19:00(ステージは18:30まで) |
場所 | 稲村ケ崎公園(鎌倉海浜公園稲村ケ崎地区)神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1丁目19 |
アクセス | 江ノ電・稲村ケ崎駅から徒歩約7分駐車場・駐輪場なし。 江ノ電からの景色を楽しみながら、公共交通機関で訪れてみてください。 |
後援 | 鎌倉市/鎌倉市教育委員会 |
協力 | 江ノ島電鉄株式会社湘南モノレール株式会社 |
入場料 | 無料 |
公式サイト | https://namibon.net/ |
『なみおと盆踊り祭』を次の心がけのきっかけになるような存在に
とまそんさん談
「お祭りに参加することで、それぞれにとっての新たな気付きになり、次の行動につながるきっかけになるようなお祭りになっていけたら嬉しいです。
そして、数年、数十年後も続いていて、このお祭りに参加していること、関わっていることが、誇らしい気持ちになれるようなお祭りに育っていったら嬉しいなぁ!」
稲村ケ崎公園の絶景は、決して当たり前にあるものではありません。地域の方の心がけや日々の努力が積み重なって保たれているのです。数年、数十年後にも同じ絶景を見られるように、日々の心がけを忘れないように続けていきたいと語ってくださった主催者の方々の言葉は、胸に刺さるものがありました。
お祭り自体を楽しむことはもちろんのこと、人と人との関わりを大切に、環境保全も頭の片隅に置きつつ参加するお祭り。
ここまで有意義な時間を過ごせるお祭りに出会うことは、なかなかないのではないでしょうか?2024年のなみぼんも、多くの人が関わって、より質の高いお祭りになっていくことでしょう。少し快適に過ごせるようになる10月、美しくてワクワクする稲村ケ崎を訪れてみませんか?