鎌倉で初詣と言えば、鶴岡八幡宮を思い浮かべる人は多いかもしれません。長い参拝列と出店を楽しむ人々でにぎわう様子がお正月の風物詩となるほど、鎌倉地元民にとっても人気の初詣に訪れたい神社【鶴岡八幡宮】。
新年の始まりを歴史ある場所で始めたいという人に向けて、鶴岡八幡宮の初詣の楽しみ方や年末年始に行われる神事や祭事についてまとめました。
鎌倉のシンボル的存在、鶴岡八幡宮
一年を通して多くの参拝客が訪れる鶴岡八幡宮。参道である若宮大路、段葛を通って鳥居を潜ると、四季折々の風景を楽しめる境内が広がります。
鶴岡八幡宮は、鎌倉幕府の初代将軍である源頼朝公も篤く信仰していたゆかりの神社です。頼朝公の祖先が信仰していた京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜に祀り、頼朝公が鎌倉の都づくりの中心として現在の地に遷したのが始まりと言われています。
流鏑馬神事(武士が馬で駆けながら矢を射る)や破魔矢(はまや・魔除けの縁起物)などの文化の発祥の地としても発展してきた鶴岡八幡宮は、目を引く美しい社殿や自然豊かな景色の魅力も相まって、鎌倉のシンボル的存在となっています。
多くの人を魅了する神社
鶴岡八幡宮は、全国的に見ても、初詣に訪れる人が多いとされる人気の神社として知られています。なぜ鶴岡八幡宮に初詣をしたいと思う人が多いのでしょうか?その魅力は鶴岡八幡宮で授かることのできる多くのご利益にありそうです。
出世運や勝負運だけじゃない!多くのご利益をいただける境内社
鶴岡八幡宮は武士として活躍した源頼朝公ゆかりの地であり、出世運や勝負運のご利益がある神社として知られています。しかし、その他にも鶴岡八幡宮には様々なご利益があるお社(おやしろ・神様を祀る場所)や祈願石があります。
- 丸山稲荷神社:商売繁盛
- 白旗神社:勝負運・学業
- 旗上弁財天社:芸事上達・開運
- 政子石:縁結び・子宝・安産
全てを回らなければいけないという決まりはありませんが、全てお参りすることでより丁寧な参拝になります。新年をより良い一年にするためにも、じっくりとお参りするのも良さそうです。
2023~2024年 鶴岡八幡宮の初詣の参拝時間
新年を鶴岡八幡宮で迎えるにあたって、初詣の参拝時間をチェックしておきましょう。2023〜2024年にかけての参拝可能時間は下記の通りです。
12月31日(日)~1月2日(火) | 24時間参拝可能 |
1月3日(水) | 0:00~20:30 |
1月4日(木)以降 | 6:00~20:30 |
初詣期間以外では、下記の参拝時間で参拝することができます。基本情報も載せるので、参考にしてみてください。
寺社名 | 鶴岡八幡宮 |
住所 | 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31 |
電話番号 | 0467-22-0315 |
拝観時間 | 6:00~20:30 |
拝観料 | 無料 |
URL | https://www.hachimangu.or.jp/ |
【鶴岡八幡宮】混雑でも満喫する3つの心得
混雑していても参拝したいほど魅力的な鶴岡八幡宮ですが、お詣りするからには充実した初詣時間を過ごしたいですよね?そこで、混雑覚悟の鶴岡八幡宮で、初詣をより満喫するためのポイントを3つご提案します。
1.深夜の境内を楽しむ
大晦日から元旦にかけては、初詣期間の中でも、混雑する可能性の高い時間帯です。なぜなら普段は開門されていない深夜の鶴岡八幡宮の周りに多くの屋台が出ていて、若い世代を中心に賑わうから。深夜にもかかわらず、大晦日から元旦にかけては、その場にいるだけでも楽しい気分になれるような特別な雰囲気が漂います。
混雑はしていても、歴史深く厳かな雰囲気とは一味違う、新年を迎えたばかりのワクワク感のある鶴岡八幡宮を堪能してみてください。
2.新年の雰囲気を味わう
人で賑わう様子もそうですが、初詣期間の鶴岡八幡宮周辺は注連飾り(しめかざり)や門松などのお正月の飾り付けもされていて、新年の雰囲気を満喫できます。さらに、鶴岡八幡宮の周辺は年末年始には交通規制が実施されるため歩行者天国のようになり、非日常感があるのもこの時期ならでは。お正月ムードに包まれた鶴岡八幡宮で、参拝の長い列に並びながら、友人や家族、親しい人と新年の抱負について話してみるのもいいかもしれません。
3.快適に並ぶ準備
楽しい雰囲気を味わえる鶴岡八幡宮の初詣期間ですが、お参りができる本宮まで数時間並ぶこともあります。希望に満ちた新年を歴史ある鶴岡八幡宮で迎えるためとはいえ、並び疲れてしまっては、せっかくの初詣の特別な思い出も台無しになってしまいます。長時間快適に参拝の列に並ぶためにも、次のような準備を整えておきましょう。
①トイレは並ぶ前に
トイレも長蛇の列になることが予想されます。なるべく事前に済ませておくのがよいでしょう。
②寒さ対策
深夜の鎌倉は0度を下回ることもあります。寒さは季節柄回避できないので、防寒具は念入りに用意することをおすすめします。また新年早々体調を崩さないためにも、感染症対策を心がけることが大切です。
▼持っておくと便利
- カイロ
- マフラー
- マスク
③スマホ以外の時間つぶし
初詣期間は、鎌倉エリアに人が増えるため、電波が繋がりにくくなることがあります。スマホで気分転換、と考える人も多いと思いますが、本やゲーム機などの満喫グッズを持参するのがおすすめです。
▼持っておくと便利
- スマホの充電器
- 電波を使わない娯楽用品(本・ゲーム機など)
④屋台での食事
屋台で食べ歩きを楽しむため、マナーはしっかり守りましょう。特にゴミ箱が設置してある場所は少ないため、要注意。手を洗う場所も混雑している可能性があります。みんなが気持ちよく参拝するためにも、ゴミのポイ捨ては厳禁です。
▼持っておくと便利
- ゴミ袋
- ウェットティッシュ
【回避方法】混雑に巻き込まれないために
混雑しても楽しめる鶴岡八幡宮の初詣ですが、できることなら混雑はなるべく避けたいですよね。。そこで次は、なるべく混雑に巻き込まれないために知っておきたい回避方法をお伝えします。
混雑のピーク時間を避ける
鶴岡八幡宮の初詣期間で混雑回避が難しいのは、特に大晦日から元旦の明け方前頃。その時間帯は、参拝するまでに数時間並ぶことも覚悟する必要がありそうです。
その後の明け方の時間帯は、人出が落ち着いてくることも多いようですが、8時頃からはまた人が多くなるので、次にピークが過ぎて落ち着いて参拝できるのは夜の時間帯になります。三が日の昼間の時間帯は、基本的に混雑していると覚えておきましょう。お守りや御朱印の受けられる時間ではないですが、早朝や夜の時間帯が狙い目です。
また、鶴岡八幡宮の公式サイトで境内のライブ映像を見ることができます。家が近い人は、この映像を参考にして参拝時間を決めても良いかもしれません。
三が日を避けて参拝する
初詣といえば、1月1日から3日にかけての三が日にするというイメージを持つ人も多いと思います。しかし鶴岡八幡宮のように大混雑が予想される場合、混雑を避けるために三が日が過ぎてから参拝するのも、初詣を満喫するための一つの手段と言えるでしょう。三が日を過ぎて初詣をする場合、『松の内(お正月の門松がある間)』までに行くのがおすすめ。関東では1月7日までです。
まだこの期間は普段と比べると参拝者が多く、出店もあるので新年を迎えた特別な雰囲気を堪能できるでしょう。
電車で初詣に向かう
鶴岡八幡宮の周辺は、大晦日から三が日にかけて交通規制がしかれるため、歩行者天国のようになります。そのため、鶴岡八幡宮の近くまでは車で行けず、さらには周辺の駐車場も埋まりがちです。スムーズに参拝するためにも、車ではなく電車で訪れることをおすすめします。最寄りの鎌倉駅からは、鶴岡八幡宮までは徒歩10分ほど。鎌倉の雰囲気を味わいながら、季節感のある風景で有名な鶴岡八幡宮の参道『段葛』を通ってお参りをしてみてはいかがでしょうか?
鶴岡八幡宮で神事を体験する年末年始
鶴岡八幡宮では、年末年始に多くの神事や祭事が行われます。参拝をするだけではなく、紹介するような行事を知ることで、歴史の奥深さを感じられるかもしれません。
12月31日:一年の罪穢を清める『大祓』
知らない間に人を傷つけてしまう、過ちを犯してしまうことは誰しもありますよね。そのような心身の罪穢(つみけがれ)を祓って清め、きれいで正直な心に立ち返って明るい世の中になるように祈る神事である『大祓(おおはらえ)』。全国の神社で古くから行われている神事で、誰でも参加することができます。
12月31日:神社に返納した授与品を焼納する『古神札焼納祭』
大祓と同様に半年に一度行われる神事。鶴岡八幡宮の崇敬者の人々が、感謝の気持ちを込めて神社に返納した神札や御守などの授与品を、神職の方がお祓いをして清め、浄火(神に捧げる清めた火)によって燃やして納めます。
12月31日:一年の感謝を込めて新年を迎えるお祭り『除夜祭』
除夜祭(じょやさい)は一年を締めくくるお祭りのことで、除夜とは大晦日を意味する除日の夜を指します。一年を無事に過ごせた感謝の気持ちを込め、心身を清めて新たな気持ちで新年を迎えるために行われる祭事です。
1月1日 :新年の繁栄を祈る『歳旦祭』
年頭の祭事である『歳旦祭(さいたんさい)』は、鶴岡八幡宮では早朝5時から行われます。皇室や国家、氏子崇拝者の繁栄、そして世界平和などに対する、この一年間の八幡大神様からのご加護を祈るお祭りです。歳旦祭のあと、午前7時からは舞殿で神楽始式が行われ、地元の小学生8人による八乙女の舞が奉仕されます。
1月3日 :天皇陛下による繁栄を祈るお祭り『元始祭』
天皇陛下が宮中三殿(皇居内の賢所・皇霊殿・神殿の総称)で執り行うお祭りのこと。年の始めに皇位の元始をお祝いし、全国の神社では、皇室と国の繁栄を祈ります。
1月4日: 鎌倉の工事始めの意味を込めて行われる『手斧始式』
現在では鎌倉全体の工事始めという意味を込めて行われる『手斧始式(ちょうなはじめしき)』。古くは重要な工事に先立って行われていたと言います。神職による祭儀が行われた後、中世を思わせる道具と所作で儀式を行います。
1月5日 :弓矢で魔除けを行う『除魔神事』
装束を着た射手が大きな的を射る姿が印象的な神事『除魔神事』。古来から魔除けの力があるとされている弓矢を用いて除魔の神事を行うのは、武家だけではありませんでした。縁起物として授与される破魔矢もこのような伝統に基づいています。
1月1~7日: 新年の無病息災を祈念する『御判行事』
元旦から7日間にわたって行われる『御判行事』。普段は御本殿の奥深く御神座近くに奉安されている御神印を額に戴き、病気平癒、厄除、無病息災を祈念する行事です。鎌倉時代に戦いに出る武士たちが、出陣する際に御神印を戴いていたことから始まったと言われます。
特別な御朱印や絵馬で新しい一年に思いを馳せる
鶴岡八幡宮では、新年に特別な御朱印や絵馬、縁起物を授与していただくことができます。せっかく初詣に訪れたから、記念に残るものを持ち帰りたい、一年の抱負を残しておきたいという人は必見です。
干支モチーフの縁起物
鶴岡八幡宮では新年の干支をモチーフにした縁起物が揃っています。2024年の干支は「辰」。年末から境内の授与所で手に取ることができます。こちらの写真が辰の一刀彫で、大きさは2種類あり、拳大のものとひと回り大きい物です。飾る場所によって選ぶことができます。
こちらの写真は、辰の形の干支鈴です。土製の鈴で、御神域(神様の為の神聖な場所)の土を使って作られているとのことで、優しい風合いに魅了されます。
数量限定 三社一組正月特別朱印
年末年始にかけて、鶴岡八幡宮内にある三社の御朱印がセットになった『三社一組正月特別朱印』を授与していただくことができます。※数に限りがございます。
▼三社とは
- 鶴岡八幡宮
- 旗上弁財天社
- 白旗神社
それぞれに異なるご利益がある神社の、特別なデザインがあしらわれた御朱印をぜひチェックしてみてください。御朱印をいただく際には、きちんと参拝することを忘れずに。
干支の入った記念絵馬
初詣の期間は、2024年の干支である辰があしらわれた記念絵馬を手にすることができます。特別な絵馬に新年の抱負を書いてみてはいかがでしょうか?また絵馬には、願いが叶った際の感謝の気持ちを書いても良いそうです。一年を振り返って感謝の気持ちを表してみたり、新年の抱負を考えて気持ちも新たに新年をスタートさせる良い機会になりますね。
華やかな正月ぼたんに目を奪われる神苑ぼたん庭園
この時期にしか楽しめない、鶴岡八幡宮の見どころを一つ紹介します。それが、可憐ながらも堂々とした大輪を咲かせる正月ぼたんです。
源氏池に沿って広がる神苑ぼたん庭園。正月ぼたんと春ぼたんが植えられていて、例年だと初詣期間の頃から見頃を迎えます。回遊式の庭園に入ると、大輪のぼたんが美しく彩っています。
混雑している境内を抜けて、華やかなぼたんの花を見てほっと一息ついてみてはいかがでしょうか?
より思い出深い初詣体験を鶴岡八幡宮で
お伝えしてきた通り、鶴岡八幡宮での初詣は混雑が予想されますが、それも含めて楽しんでみたり、混雑を回避してゆったりと参拝してみたり、魅力たっぷりの鶴岡八幡宮で初詣を楽しんでみてください。
鎌倉の中心地で迎える新年が、皆さんにとって素敵なものになりますように。