自然

【鶴岡八幡宮・段葛】新緑の中で鮮やかに色付くつつじ

2023.07.18

鎌倉の観光名所「鶴岡八幡宮」に続く参道、若宮大路の「段葛」。
春の桜並木が美しい段葛が新緑の緑に染まり始めると、色鮮やかなつつじが訪れる人々を出迎えてくれます。また、鶴岡八幡宮でも美しいつつじを楽しむことができます。
美しい桜の季節が終わり、寂しさを感じるのも束の間。つつじが段葛から鶴岡八幡宮まで、鮮やかに染めるシーズンの到来です。そんな段葛と鶴岡八幡宮のつつじの見どころをご紹介。

鎌倉の中心「鶴岡八幡宮」

鎌倉には多くの観光名所がありますが、「鶴岡八幡宮」言わずと知れた一大観光スポット。
由比ガ浜から伸びる参道「若宮大路」をまっすぐ進むと見える「鶴岡八幡宮」は歴史的にも重要な場所であり、最近ではNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響もあって、多くの観光客で賑わっています。

「武士の都・鎌倉の文化の起点」と呼ばれる場所

「鎌倉殿の13人」にもあったように、武家社会が誕生した鎌倉時代において、鎌倉は国の中心として重要な場所でした。
鶴岡八幡宮の歴史は鎌倉幕府と共に始まり、歴史を刻み、伝統文化が生まれたとされています。鎌倉幕府を開いた源頼朝の先祖に当たる源頼義公が、1063年に京都の石清水八幡宮を鎌倉に勧請し、お祀りしたことが始まりとされ、源頼朝公によって現在の地に遷されました。鎌倉幕府の重要な中心地となり、この歴史ある鶴岡八幡宮は国の重要文化財にも指定されています。

およそ840年の歴史を刻む美しい参道

由比ガ浜方面から鶴岡八幡宮に向けて続く道。この道は鶴岡八幡宮の参道であり「若宮大路」として知られています。
1182年、源頼朝は鶴岡八幡宮の社殿から海にまで一直線にのびる参道をつくりました。由比ガ浜から鶴岡八幡宮に向かって一の鳥居、二の鳥居を抜け、三の鳥居まで約2キロメートルある参拝の道。これが「若宮大路」と呼ばれています。若宮大路の真ん中、一段高く作られている道が「段葛」です。段葛は別名「置石」とも言われています。
鎌倉が政権所在地となり、源頼朝は都市づくりに着手しました。その一歩として京の朱雀大路を模して若宮大路、段葛が造営されたと言われています。
段葛は「吾妻鏡」によると源頼朝が妻政子の安産(二代将軍・源頼家)を祈願して築かせたものとされています。そして、源頼朝は北条時政や畠山重忠などの有力御家人とともに、土石を運んで築きました。
段葛は葛石を積んで周囲より一段高く作った参詣道ですが、段葛の名前は「葛石」に並んでいるとされています。また、段葛は当時、特定の地位につく人のみが通行を許可されていた道だとも言われています。

段葛の不思議

段葛には実はトリックがあります。段葛の入り口である二の鳥居では参道の幅が約5メートルですが、三の鳥居では約3メートルです。
鶴岡八幡宮の入り口に近づくにつれて幅が狭くなっていきます。
この幅が狭くなる理由には二つあるとされています。まず一つ目は、遠近法を利用した錯覚で段葛を長く見せ、鶴岡八幡宮を遠く感じさせるため。二つ目は、敵の侵入を想定した際に、要所となる鶴岡八幡宮側を狭くすることで敵が攻めにくくなるようにしたといった防衛上の理由です。実際に歩いてみても、幅が変わっていくのが実感できます。

鶴岡八幡宮・段葛のつつじの見頃

桜の名所でもある鶴岡八幡宮と段葛。桜が美しい季節が過ぎると、新緑の緑の中に鮮やかな色を飾るツツジが見頃になります。
鶴岡八幡宮と段葛のツツジの見頃は、4月下旬から5月上旬です。

鎌倉の歴史を彩る美しいつつじは見ごたえ満点

鎌倉の歴史で重要なスポットである鶴岡八幡宮と段葛。
鎌倉時代の歴史を物語る場所を彩る美しいつつじは訪れる人を魅了します。つつじが満開になるとほのかな甘い香りが広がります。
香りや色を楽しみながら歴史ある段葛を歩き、鶴岡八幡宮を散歩するのも、おすすめしたい春の鎌倉の楽しみ方の一つです。

段葛は桜のアーチだけでなくつつじロードも心惹かれる

鎌倉の春を彩る段葛の美しい桜のアーチ。桜が散り、新緑の緑のアーチへと変わると、ほのかな甘い香りとともに、ピンクや白の優しい色合いのつつじが鶴岡八幡宮までの参道を彩ります。

緑のアーチ、そして美しく彩るつつじ越しに眺める三の鳥居と鶴岡八幡宮は絶景の撮影スポット。桜のアーチからつつじロードまで楽しめる段葛は、春の鎌倉で欠かせないおすすめの観光名所でもあります。

鶴岡八幡宮の源平池を彩るつつじ

四季の美しい花々を楽しむことが出来る鶴岡八幡宮。
桜の季節が過ぎると、藤やぼたんとともにつつじが境内を色鮮やかに彩ります。旗上弁財天社へ向かう道から源氏池、また平家池を囲むようにたくさんの美しいつつじが周囲を彩っています。
ピンクのつつじがメインですが、赤いつつじを見ることも出来ます。鶴岡八幡宮の新緑の緑の中、色鮮やかなつつじは大変美しい光景です。

歴史と四季を感じる鶴岡八幡宮と段葛のつつじ

鎌倉で外すことのできない観光スポット、鶴岡八幡宮と段葛。
1年を通して四季の移り変わりを楽しむことができる鎌倉ですが、桜のシーズンに続いてつつじを楽しむことが出来る4月から5月上旬もとてもおすすめです。
春の風を感じながら美しいつつじロードを歩いて鎌倉散策してみてはいかがでしょうか。

スポット名段葛
住所鎌倉市雪ノ下2丁目1−31
スポット名鶴岡八幡宮
住所鎌倉市雪ノ下2丁目1−31
電話番号0467-22-0315
拝観時間(開門時間)10月~3月: 6:00~21:00
4月 ~ 9月: 5:00~21:00
定休日なし
URLhttps://www.hachimangu.or.jp/
記事を書いた人
鎌倉で生まれ育ち、地元が大好きな鎌倉っ子。海や山の自然、美味しい食べ物、そして歴史ある鎌倉を多くの人に知ってもらいたい、世界に広めたいと思っています。「鎌倉をもっと好きになった」と感じて頂く記事を紹介していきます。