自然

雅やかな新名所・一条恵観山荘であじさいと建築を堪能

2023.07.26

鎌倉駅からバスで12分ほどの浄妙寺エリアにあるのは、2017年にオープンした一条恵観山荘。
滑川沿いに位置し、迫力のある茅葺屋根のほか、庭園内には東屋や小径などがあり、美しい景色を堪能しつつゆったりと休憩ができるカフェもある鎌倉の新名所です。
今回はこちらで楽しめるあじさい景色についてご紹介します。

和の情緒に浸れる建築と庭園

国の重要文化財に指定されている一条恵観山荘。風雅な建築と広く手入れの行き届いた庭園が魅力のスポットです。
散策にぴったりなほか、喫茶もあるので小腹が空いた際には休憩がてらほっと一息つくことができるのも魅力。現在は一般入園や建物見学を実施しているほか、食事場所や講演会、ワークショップなどへの貸し出しも行っています。

奥ゆかしく趣のある皇族の茶屋

【一条恵観山荘】趣を感じる山荘とあじさい 

昭和34年に鎌倉の現在の地に移築されるまでは、京都西賀茂にある一条家別邸の離れでした。
建物の名前でもある一条恵観は後陽成天皇の第九皇子であり、摂政・関白を二度務めた人物で、自らがこの設計をしたといわれています。京の寛永文化を感じることのできる雅やかな建造物と庭園です。

庭園には四季折々の花々や木々が植えられており、時間を忘れて散策しながら季節を感じることができます。茅葺屋根に積もった雪も趣が感じられる風景です。
また、内部の建具には様々な工夫がなされており、素朴な建材とは対照的に、障子や襖には細やかな技巧が凝らされています。上質な杉戸に施された「杉戸絵」は、当時の宮中の文化を伝えてくれる貴重な資料にもなっています。

庭園に咲き誇るさまざまな姿のあじさい

季節を彩る可憐なあじさいは、一条恵観山荘の建築や庭園でも見ることができます。
雅やかな雰囲気の中でひときわ輝きを放つあじさいを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

入園者を迎えるあじさいの花手水

【一条恵観山荘】美しく飾られた花手水①

一条恵観山荘で見られるあじさいは庭園に咲いているものだけでなく、入り口や建物内に美しくあしらわれているものもいくつか見られます。
手水鉢に季節の花びらを浮かべる花手水は、この季節はあじさいが浮かんでおり、可憐に彩っていて涼やか。その日によって、青やピンクなど様子の違った花手水が楽しめます。

【一条恵観山荘】美しく飾られた花手水②

広い庭園に咲く山あじさいと西洋あじさい

控えめな美しさの山あじさいと、華やかで可憐な西洋あじさいの両方を見られるのが一条恵観山荘のよいところ。
広い敷地内には、色・形の種類に富んだあじさいをゆったりと鑑賞できます。

四阿を彩る色とりどりのあじさい

【一条恵観山荘】四阿にあるカラフルなあじさい

四阿の周辺には多くのあじさいが咲きます。様々な色、形のあじさいを堪能することができます。新緑の中で、カラフルなあじさいはより一層美しく見えます。
非常に大きな花房が特徴で、加えて繊細な美しさがあるアナベルも、四阿の周辺に小径を作るようにずらっと咲きます。純白の花びらは見ているだけで癒されます。

鮮やかな写真が撮れるスポット

一条恵観山荘は、茅葺の美しい山荘のほか、滑川の流れる庭園など、どこもかしこも写真映えするスポットが満載です。
一見田舎風な建築に鮮やかなあじさいの花が彩りを添えた、梅雨の時期ならではの景色を記念に写真に収めてみてはいかがでしょうか。

活き活きと咲いたあじさい

【一条恵観山荘】四阿の色鮮やかななあじさい

初夏は新緑、秋は紅葉の美しい姿を楽しめる庭園では、梅雨の時期になるとさまざまな場所に、ガクアジサイ、西洋アジサイなど、形や色もさまざまなあじさいが活き活きと咲き乱れます。

庭園はきちんと管理されており、特に建物付近の階段沿いに咲くアナベルは純白の姿が美しく、人物を入れた写真にもぴったりですよ。

美しくしつらえられたあじさいの姿

【一条恵観山荘】美しく飾られた花手水③

一条恵観山荘では、花手水をはじめ、東屋付近にひな壇上にならんだあじさいや、窓際に揃えられたあじさいなど、人の手で美しく設えられている姿をみることもできます。
鮮やかで見ごたえがあり、写真映え間違いなしでしょう。

一条恵観山荘周辺のあじさいスポット

報国寺の竹林とあじさい

足利尊氏の祖父家時が高僧天岸慧広を開山として1334年に創建された報国寺。
幻想的な竹林が有名で、ミシュラン・グリーンガイドでは三ツ星評価をされています。散策路が設けられており、柔らかな木漏れ日が差し込む非日常を味わうことができるスポットです。さらさらと竹の葉が風に擦れる音など、自然に癒され、心が落ちつきますよ。

あじさいシーズンには、魅力的な竹林とあじさいの風景を見ることができます。趣を感じるこの時期ならではの光景をお見逃しなく。

浄妙寺の上品なアナベル(画像提供:PIXTA)

浄明寺は臨済宗建長寺派の仏教寺院。本尊は釈迦如来で、開基は足利義兼、開山は退耕行勇といわれており、鎌倉五山の大五位でもあります。
本堂は美しい銅葺き屋根になっており、本堂裏手の墓地には、足利尊氏の父である貞氏の墓と伝えられる石塔があります。
境内をぬけて坂道の上には美しい洋館と庭園が広がり、石釜ガーデンテラスというレストランが。そのレストランの前には、上品な印象の白いアナベルというあじさいが咲いていて美しいです。

趣のある建造物とのコラボレーションが楽しめる

一条恵観山荘は自然の中に咲くあじさいだけでなく、配置や彩りを考えながら飾られたあじさいを楽しめるスポット。
滋味に富んだ建造物とのコラボレーションは写真映えするので、素敵な写真を撮りたいという人にもおすすめです。
鎌倉駅からは少し離れた場所にありますが、周辺には報国寺、浄妙寺など、美しい景色が広がるスポットもあるので、ぜひあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

スポット名一般財団法人 一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)
住所神奈川県鎌倉市浄明寺5丁目1-10
電話番号0467-53-7900
営業時間10:00~16:00
URLhttps://ekan-sanso.jp/
記事を書いた人
関東在住のフリーライター。街歩き・読書・映画など、ひとりで楽しめるものが好きです。