花と竹林が美しい英勝寺(花の寺) 鎌倉唯一の尼寺

2020.03.19

鎌倉唯一の尼寺 英勝寺

鎌倉駅西口から、徒歩で12分ほどの英勝寺。鎌倉唯一の尼寺として有名です。
元は太田道灌の屋敷跡で、太田康資の娘で徳川家康の側に仕えたお勝の局(後の英勝院)が、1636年(寛永13)に開基したと入れており、住職には代々徳川水戸家の姫を迎えてきたと言います。

関東大震災のために倒壊した建物はあるものの、仏殿、鐘楼、祠堂などがそのまま現存しており、江戸初期の名建築を現代に残している貴重な寺です。2013年に仏殿・山門・鐘楼・祠堂・唐門が国の重要文化財に指定され、文化的にも非常に高く評価されているのが英勝寺の境内です。

境内は、重要文化財に指定

■山門

水戸光圀の兄である高松藩主松平頼重により英勝院(お勝の局)の一周忌において、1643年に建立したものと言われている。1923年の関東大震災後売却され、鎌倉市小町の私有地に移築私有地に再建されていたが、約2011年に英勝寺によって復興建築が行われ、2013年には国の重要文化財に指定されています。

■仏殿

1636年に英勝院によって建立、1643年に徳川頼房が英勝院の一周忌のために改築をして、現在の姿になったと考えられています。屋根の隅棟や軒先の線に反りがなく、屋根の形を直線のみで建てている珍しい意匠と言われています。また、軒下には十二支の装飾彫刻が施されているのも特徴です。堂内には、徳川家光が寄進した運慶作の本尊・阿弥陀三尊立像が安置されており、窓から拝観することができます。

■鐘楼

英勝寺の鐘楼は、近世の鎌倉では唯一とされる袴腰鐘楼という珍しい様式のもので、こちらも国の重要文化財として指定を受けています。

■祠堂

本堂西には祠堂と祠堂門が建ち、方三間宝形造の建物で、内外部ともに漆塗や彩色で飾られています。

■唐門

開基英勝院の墓廟である祠堂への門です。ボタンの彫刻が施され、貴重な江戸時代の高度な技術をみることができます。

花の寺 英勝寺

加えて「花の寺」という別名でも呼ばれ、尼寺らしく細やかに美しく、よく手入れされた花に溢れる美しい庭園は、季節の花を愛でることができます。春には桜や桃、初夏は白藤やあじさい、秋には彼岸花や紅葉、冬には椿や水仙と、四季折々の美しい花の姿を楽しむことができます。

見どころは竹林

文化財や美しい花に加えて、英勝寺の見どころと言われているのが竹林。庭園の一番奥、仏殿の先に見事な竹林が広がり、竹林の中を歩くことができます。観光客の数も少なく、ゆっくりと落ち着いた雰囲気の中、散策を楽しみたい方にオススメです。この竹林は代々、徳川水戸家の姫の住まいがあったのだとか。

書院で楽しむお茶席

書院

竹林に面しているのが書院です。春から夏にかけてはあたりが濃い緑で彩られ、美しく趣のある姿を楽しむことができます。初夏には軒先の藤棚に白藤がいっぱいになり、その姿は圧巻です。書院では不定期でお茶席が設けられており、書院の縁側や座敷でお抹茶を楽しむことができます。


開催日は門の前にある看板で知ることができますので、幸運にも看板を見かけたら、ぜひ立ち寄ってみてください。書院で料金を払い、お抹茶とお干菓子のセットをいただくことができます。カジュアルなお茶席ですが、竹林をゆっくり眺め鳥のさえずりに耳を傾けながら、ゆっくりとしたひと時を過ごすことができます。

美しい建築物、四季折々の美しい花々、竹林の凜とした静寂。艶やかな「女性の寺」ならではの英勝寺、代々お寺を守ってきた徳川の姫君たち。そんな歴史を感じながら、散策してみてはいかがでしょうか。

寺院名英勝寺
住所〒248-0011
神奈川県鎌倉市扇ガ谷1丁目16-3
電話番号0467-22-3534
拝観時間9:00~16:00(木曜は休み)
拝観料大 人:300円
高校生:200円
中学生以下:100円
URLhttps://www.trip-kamakura.com/place/84.html
記事を書いた人
『Buzz Trip Kamakura』は「鎌倉の楽しさや美しさを、日本はもちろん、世界の人々に広めたい」をコンセプトとした鎌倉の情報サイトです。鎌倉のWebコンサルティング会社 株式会社BEEPが運営しています。 国内外からの観光客の方々はもちろんのこと、鎌倉を訪れる全ての人たちに、鎌倉で過ごす時間や体験をより一層素晴らしいものにしていただくお手伝いを目的とし、鎌倉のファンになっていただければと考えています。 株式会社BEEPについては、こちら